墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「祈りの考古学 ―土偶・銅鐸から古墳時代のまつりへー」展 @天理ギャラリー 東京都千代田区神田錦町

今年の3月に天理市を訪ねた際、天理参考館を見学できなかったことが心残りだった。

 

豊富な考古資料を持つ天理参考館は東京にも展示室があって年に2,3回企画展を実施しており、1962年からすでに165回に至っていることを今さらながら知った。

 

そして9月28日から開催中の第165回展のテーマが「祈りの考古学 土偶・銅鐸から古墳時代へのまつりへ」であるという。これは見逃してはならないでしょう。

 

ということで、神田錦町の東京天理ビルを初めて訪ねた。

 

エレベータで最上階の9階がギャラリー。入館無料。 

 

厳かな雰囲気が漂う展示室。撮影は可だった。

 

左壁から時計回りに、縄文時代の祈り、弥生時代の祈り、古墳時代の祈りのコーナーが続く。

 

縄文期の祈りといえばやはり土偶。

北海道・余市の大谷地貝塚から出土した縄文時代晩期の端正な顔立ちの土偶。

 

リアルな刺青があるような遮光器土偶も。眼が巨大。(青森県三戸町出土:縄文晩期) 

 

曲った鼻の土面は、こめかみあたりに孔があって着装できる”マスク”(岩手県・雫石町出土:縄文晩期)

 

こちらの亀形土製品(岩手県二戸市出土:縄文晩期) は中空で孔もあり、土笛とする見方もあるそう。

 

弥生時代といえば、やはり銅剣・銅矛と銅鐸。

 

見事な流水文の銅鐸は徳島県吉野川沿岸出土と伝わる(弥生後期・需要美術品)

 

奈良県田原本町の唐古・鍵遺跡から出土した絵画土器(弥生中期)
解説には「農耕のまつりを司る人物を表現したものとみられる」とあった。小さなかけらだが、何かを訴えかけるような表情に見入ってしまった。約2000年前の線刻人物画。

 

古墳時代のコーナーは、地元天理市の布留遺跡の出土品で大変充実している。

こちらは祭場の供献土器など(古墳時代中期)

 

滑石で出来た大量の有孔円盤、勾玉、管玉や剣形製品。

 

流路からは木製品(琴や馬形、刀形・剣形・矢形など木製祭祀具)が多数出土した。手前は琴。

 

祈りがテーマであるので、巫女形の人物埴輪が2点出品されている。

ひとつは奈良県北葛城郡河合町貝吹で出土したもの(古墳時代中期)で、両腕も欠けているが杯を捧げる姿を表したものとみられている。

 

こちらは出土地不詳のもの(古墳時代中期)

腰に7つの鈴がつく鏡をつけているが、神事に際し鈴鏡を鳴らしながら舞を踊る巫女だったとみられる、とあった。

 

 公式サイトの解説はこちら。

 https://www.sankokan.jp/news_and_information/ex_tg/tg165.html

 

11月24日までで、毎週日曜が休館。おすすめです。