7月最後の土曜日、ぐるっとパスで常設展が見られる世田谷美術館へ行った。
東急田園都市線の用賀駅で下車。地下の改札への入口が、すり鉢の円形劇場のようになっている面白い形。
駅から見える東名高速の高架に沿って西へ600mほど行くと、環状8号線との立体交差、用賀ICがある。歩行者は大きなコの字型の歩道橋の階段を上がらねばならない。
歩道橋を渡ると砧公園の緑が広がる。木蔭で生き返った。
運動場や各種広場、ファミリーパークやバードサンクチュアリーがある広大な都立公園。 説明板によれば、戦前に都市計画決定された大緑地を前身とし、戦時下は防空緑地、戦後は都営のゴルフ場ともなったが、昭和32年に「家族ぐるみで楽しめる公園」という造成計画に基づいて開園した。
モミジバスズカケの巨木がつくる、木の葉の屋根。
日差しが強烈だったので、樹の下を縫うように北側の美術館を目指した。
美術館入口の看板。
常設展を見るつもりで来たが、企画展の「アルバレス・ブラボ写真展」のポスターに惹かれて結局両方見てしまった。
一般1000円だが、ぐるっとパスだと200円の割引があり、常設展も見ることが出来る。
1986年に開館した複数棟をつなぐような建物は、内井昭蔵(1933~2002)の設計。
地下を掘り下げた屋外テラス(カフェ)もある。
下記公式サイトには、メキシコの写真展に合わせて、”夏の午後にぴったりな、冷えたビールとスパイシーなメキシコ料理のおつまみをご用意”、とあった。
「メキシカンオードブル盛り合わせ」(税込1200円)は、ライム風味のメキシコの魚介のマリネ(セビーチェ)や、パプリカのきいたトマトや玉葱のさっぱりした味のサルサソースなどをトルティーヤチップスとともに、お楽しみいただけます。
こちらが美術館入口。
天井の高いロビー。1階で企画展示、2階で常設展示があった。どちらも撮影不可。
マヌエル・アルバレス・ブラボ(1902~2002)はメキシコを代表する写真家。
公式サイト企画展 - 世田谷美術館での紹介は下記の通り。
メキシコ革命を経て、壁画運動や前衛芸術が渦巻く激動の1920年代末に頭角を現し、最晩年の1990年代末に至るまで、一貫して独自の静けさと詩情をたたえた写真を撮り続けました。約70年におよぶその仕事の魅力を、192点のプリントと多数の資料によって紹介する、国内初の本格的な大回顧展です。
100歳まで長生きされているので活動期間も長く、今回の展示作品数もボリュームがある。
モノクロ写真主体だが、1930年代のメキシコシティの街と人々を撮った作品が特に印象に残った。高地特有の乾いた空気に強烈な日差しが降り注ぐ”石造り”の街中で”一瞬無音となる感じ”が伝わってきた。
フリーダ・カーロやロシアから亡命したトロツキーの肖像写真もあった。
8月28日までの開催。
「神話の森 美と神々の世界ミュージアム コレクションⅡ」展は、古代ギリシアやマヤ・アステカ、旧約聖書や古事記など、「各地の歴史を土壌とし、多様な民族性や信仰心によって育まれてきた神話の世界」がテーマ。
難波田龍起、宮本三郎、山口薫、間所(芥川)紗織、福沢一郎、朝妻治郎、高橋秀、さらにフェルナンド・ボテロやアンゼルム・キーファーらの世田谷美術館が所蔵する作品が展示されている。
自らマヤ、アステカの遺跡を訪ね歩いた利根山光人による古代遺跡の”拓本”が興味深かった。
こちらは10月23日まで。一般200円。
美術館には充実した資料閲覧室もあった。美術館がその作品を所蔵するアンリ・ルソーが迎えてくれた。
美術館前広場の木立のアーケード 。
芝生のスペースには屋外作品も展示されていた。
澄川喜一による「そりのある形」1983年
帰路は美術館の北側の道沿いにある停留所からバスを利用した。