2019年10月20日で終了している展覧会です。終了間際に訪ねました。
京橋の中央通り沿いにある 戸田建設本社ビルは、現時点(12月下旬)で解体工事が始まっています。
左(北)隣には、アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)がもうすぐオープン。
新TODAビル(仮称)は地上28階・高さ173mの高層となり、2024年に竣工予定。
解体前に、1階エントランスを利用した建築展(8月24日まで)と美術展、「TOKYO2021 2021年以降を考えるために」が開催されていました。
展覧会を知ったのは10月になってからだったので、見たのは美術展の方のみ。
キュレーターは黒瀬陽平氏、会場設計が西澤徹夫氏で、いただいたパンフには下記の趣旨が。
情報化時代がはじまった1970年代を起点に、日本現代美術がいかに同時代の文化やテクノロジーを取り入れ、「シミュレーター」として様々な災害記憶をヴァーチャル化し、unrealな領域で作り変え、投企してきたのか、その歩みをたどってゆきます。
入場は無料。SiteA「災害の国」とSiteB「祝祭の国」にエリアが分かれ、出品作家は総勢30名ほど。その一部を紹介します。
「災害の国」で入ってすぐの展示は、磯村暖による「地獄の亡者の彫像群」
タイにある地獄寺の彫像手法が援用されています。
カオス*ラウンジによる「東海道五十三次童子巡礼図」
京都アニメーションの事件を受けて制作されたそうです。
八谷和彦による「見ることは信じること」
阪神淡路大震災をきっかけにおこなわれた「メガ日記」プロジェクトがもとになっており、特殊メガネをかざすとボード上に現れるメッセージを読みます。
この近くにあった、竹内公太による「盲目の爆弾」という作品が一番印象に残りました。第二次大戦時に日本がつくった風船爆弾は9300発。作家はアメリカの公文書館の資料をあたって着弾した地を訪ね、当時の新聞記事などももとにして映像作品としています。
大山顕による「Firewall」、長大な白髭東アパート写真。
1.2㎞にわたって続く高さ40mの”建物防火壁”は、関東大震災の火災を教訓につくられたそうだです。
ほかにも福島第一原発事故を題材にした会田誠、地下鉄サリン事件をテーマとした飴屋法水の作品などもありました。
こちらはSiteB。同じ1階ですが別の入口から。
檜皮一彦による「hiwadrome:type THE END spec5 CODE:invisible circus」
岡本太郎の太陽の塔の顔の後ろには、白く塗られた車椅子を積みあげた塔。
そのとなりには、弓指寛治による「黒い盆踊り」
藤元明による「幻爆」は、鉄パイプと銀色テープでつくった「着弾の瞬間」
同じく藤元明による「2026」の素材は、ビルを解体するにあたって出た瓦礫。
Houxo Queによる「un/real engine」というインスタレーション。
階段を下りた先に水面は、「ゼネコンの地下を水没させる」というアイデアを具現化したそうです。
公式サイトが残っていました。
https://www.tokyo2021.jp/bizyututen/
こちらは八重洲通りと中央通りの交差点で、東方向。戸田建設ビルは右手(南)にあります。
ここには、ヤン・ヨーステンのレリーフが飾られています。右の船はリーフデ号。
その奥の西方向に東京駅八重洲口。ここには「平和の鐘」もあります。
オランダ製だそうです。