前回のつづき。
赤レンガ堤防から続く道を西へ向かって歩いていたら「六郷水門前」というバス停に行き当たったので、信号を左折して多摩川方向へ。
すぐに南六郷緑地という公園に着いた。
公園の北端にあったトイレは面白い形をしていたが、六郷水門を模したものであると後でわかった。水門からは水も流れ出ている。
レンガタイルの敷き詰められた敷地に水路がある。
水路の先は短い運河のようになっていた。
わりと大きな船舶も係留されている。
その船が通るにはぎりぎりの大きさと思われる水門だった。
見事なレンガ壁。
こちらはレンガ壁の六郷排水機場。昭和18年(1943)に生活排水を機械的に排出させるために設置。
あとで大田区郷土資料館にて、現役最古の排水機場の一つ(東京都内)と知った(文末写真資料)
土手を上がって水門へ。
堤に沿って大きな構造物があった。
西側から順光で。
右の青い銘板には「六郷水門 昭和六年三月成」と刻まれている。
角が丸く処理されていて、いかめしさがやわらいでいる。
六郷水門は赤レンガ堤防とともに、大正7年から昭和8年まで16年間継続された多摩川改修工事の一環で造られ、85歳の今もなお現役で稼動中。
多摩川側から。鋼板の両端の猫耳のような形は、機能上かデザイン上か気になった。
竣工以来、多摩川からの逆流の防止とともに、下水道が普及するまでは六郷用水の末流をはじめ、六郷や池上、矢口、羽田の一部の地域の生活用水の排水を処理してきたそうだ。(大田区ホームページ:六郷水門より)
排水機場を堤防側から。
多摩川下流方向。左は大田区側の出っ張りで、その奥が本流。
上流方向。このあたりの多摩川は大河川なのに大きく湾曲していて面白い。
中央の3棟は川崎市港町のマンション。
現時点でグーグルアースでは建設途中?
水門上からの舟だまり側。かつて雑色運河(ぞうしきうんが)がさらに延びていて舟運に利用されたそう。
検索していたら、グーグルマップ上に示された六郷用水の図があった。
上野毛自然公園の下を通っていた流れ。
公園側の排水機場への入口は固く閉ざされていた。施設内容がわかるような看板等は見当たらなかった。
トタンの破風も味わいがあった。
※追記
大田区郷土博物館(@西馬込)の展示室に六郷水門と六郷排水機場の模型や解説があった。
こちらの解説で排水機場は昭和18年の竣工と知った。