墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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上野毛自然公園・二子玉川公園 東京都世田谷区上野毛・玉川

前々回のつづき。

五島美術館の前から続く道沿いにある大きな看板に惹かれて、民家に挟まれた道を60mほど進む。 

 

すると木立に覆われた広場が現れた。桜の名所でもあるようだ。

世田谷区立 上野毛自然公園。

 

広場は台地の縁にあり、崖を下りる急な階段がついていた。

 

階段を下りて見上げたところ。

 

崖下に解説板があった。

 上野毛自然公園
面積:約9239.84㎡ 所在地:上野毛2-17-19 常時開放
上野毛自然公園は、台地を多摩川が長い年月をかけて削ってできた国分寺崖線上にある公園です。国分寺崖線の斜面上側にはサクラの広場、斜面下側には、湧き水で作られた流れや池があり、ショウブなどの湿性植物などを見ることができます。
”みずとみどりの自然環境”が残された貴重な緑地空間となっています。

 

国分寺崖線と湧き水
水を通さない地層の上に、多摩川が運んできた小石(礫)や、噴火による火山灰が降り積もりました。氷河期や間氷期を経て多摩川が大地を削り、崖線が作られました。地上に降った雨などが、崖線の斜面に出ている礫層から、湧き水となってしみ出しています。

 

こちらのブログ、上野毛自然公園 : 世田谷 玉川村名所物語によれば、かつては個人(田中家)の所有地で、1590年の豊臣秀吉による小田原征伐の頃に土着帰農し江戸期に名主だった田中家の、明治期の当主が築いた庭園「桜楓園。別名では旦那の山」が元になっているそうだ。

 

公園の下の縁を丸子川が横断していた。この川が多摩川と並行して少し高い場所を流れているのは、1597年からの14年かけて開削された六郷用水 - Wikipediaだったから。

建設指揮監督者小泉次大夫の名を取って次大夫堀(じだゆうぼり)とも呼ばれるそう。

 

国分寺崖線を写真に収めようと思って多摩川の堤を目指していくと、こちらにも広い公園があった。

世田谷区立 二子玉川公園。

 

3年前の平成25年4月にオープンしたばかりの公園で芝生の広場や日本庭園などが整備されていて多摩川河川敷へも降りられるようになっていた。

かつてはここに東急自動車学校やゴルフ練習場があったそうだ。 

 

帰真園は公園化とともに世田谷区が設けた回遊式日本庭園。

 

明治末築造の日本家屋、旧清水家住宅書院が移築復元されている。

世田谷区登録有形文化財(建造物)
旧清水家住宅書院 一棟
登録年月日 平成25年3月29日
この書院は明治43年(1910)から翌年頃、中根岸(現在の台東区根岸3丁目辺り)の清水家屋敷内に離れとして建築されたものと伝わっています。大正8年(1919)には、同家の玉川の屋敷(現在の瀬田4丁目8番)に主屋とともに移築されました。そして二子玉川公園の建設とともに平成25年(2013)3月、再度移築復元しました。
十一畳の書院の間と長五畳の次の間の間に、鉤の手に縁側がめぐる小規模な間取りですが、吟味された材料を使い、当時の職人の確かな技術に裏づけされた意匠でまとめられています。
明治末から昭和初期にかけて、国分寺崖線に沿って多く存在した別邸の流れをくむもので、地域の歴史を伝え、明治期の近代和風建築として区内では貴重な建造物です。
平成25年3月 世田谷区教育委員会

 

中に上がってお座敷や縁側から庭を眺めることができる。

 

庭園の背後には二子玉川のタワーマンション群。

 

書院には見事な襖絵。

 

池の対岸から見た建物。

 

日本庭園といってもバリアフリーでつくられていて歩きやすい。

こちらは多摩川の源流を現した石組みだが、関東近郊の採石場から石材を選定し配石したそうだ。

 

スロープを上がっていくと堤の上に出た。庭園越しに東京都公文書館や都税務署の建物があり、その後ろに五島美術館などがある国分寺崖線の濃い緑が見えた。

 

多摩川の西側方向。奥に田園都市線の橋梁が見える。

 

多摩川を挟んで南西側方向。対岸は神奈川県川崎市高津区。

正面奥のビルは、「ザ・タワー&パークス田園都市溝の口」でここから2kmほど。先月川崎市のツアーで訪れた橘樹官衙遺跡はその少し左の方向の3.4km先になる。

「史跡めぐり 古代の橘樹をゆく」ツアー・1 - 墳丘からの眺め

 

公園には「ながめ」を示す案内板もあった。

ビルの右側の86km先には富士山がある。天気がよいと丹沢山脈越しに見えるそうだ。

 

円墳のような展望台があったが閉鎖中だった。 

 

最初に見た時はまさかとは思いつつ、走り寄ってしまいましたよ。

 

武蔵小杉のビル群までは4kmほど。

 

堤の上にはおしゃれなカフェもあった。上野毛自然公園には人がいなかったが、こちらは大賑わいだった。

 

堤から再び国分寺崖線。正面の右側は上野毛自然公園の森。

 

 ズームすると稲荷坂が見えた。