墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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旧秋田商会ビル、下関南部町郵便局 山口県下関市南部町

前回の旧下関英国領事館(竣工1906年)を歩道橋から見ていたら、県道57号を隔てた側にも古い建物が2棟。

 

左が下関南部町郵便局庁舎(1900年)、右が旧秋田商会ビル(1914年)

 

下関南部町(なべちょう)郵便局は、現役です。

 

公式サイトによれば、今なお使われている現存最古の郵便局舎。かつては1階で郵便、2階で電信の業務が行われていたそうです。煉瓦造モルタル仕上げの2階建で設計は三橋四郎。明治初期の日本の建築界の第3世代(ジョサイア・コンドルから直接指導を受けた第一世代・辰野金吾の孫弟子。

構成文化財:下関南部町郵便局 | 日本遺産 関門ノスタルジック海峡

 

あまり時間が無かったので、室内に入ったのは隣の旧秋田商会ビル。

 

角の丸い塔が素敵なランドマークになっています。

 

歩道に面した説明板。

旧秋田商会ビル
旧秋田商会ビルは大正3年(1914)に着工し、翌4年に竣工した鉄骨鉄筋コンクリート造の建築で、地上3階、地下1階、塔屋付き、屋上には日本庭園と茶室がある。内部は1階を洋風の事務所空間、2階及び3階を格調高い書院造住宅としている。西日本で最初の鉄筋コンクリート造の事務所建築であるとともに、わが国に現存する同種建築としては最古級のものである。
豪快な付柱や幾何学模様を応用した柱頭飾り、ドーム型の屋根と円筒形の張り出し部で構成された塔屋、1階内部の円柱など、実用間もないコンクリート技術を駆使した優れた意匠や、塔屋とともに独特な外観を形成する日本初の屋上庭園、防火壁や鉄製の防火扉、和室の可動式間仕切りなど、随所に見られる独創的な工夫がこの建物の先進性を物語る。また、幸いにも外観・内部ともに後世の改変が最小限で、ほぼ建築当初の姿を保っている。
そのため、この建物はわが国を代表する近代建築として、高い文化財的な価値を有するとともに、近代下関の建築文化の先進性を立証するものである。
なお、秋田商会は日露戦争末期の明治38年4月1日の創立、主に木材取引などの商社的な活動と海運業を営み、最盛期には台湾・朝鮮半島・満州にも進出した港湾都市下関を代表する企業であった。創立者の秋田寅之助は、市議会議員や衆議院議員を歴任し、当地の政界や経済界において重きをなした。
彼の斬新な発想から誕生したユニークな外観と内部構造を持つこの建物は、南部町郵便局、旧英国領事館とともに、現在も下関のランドマークとしての役割を果たしている。

 

中へ入った1階は旧事務所、今はパネルなどで歴史がわかる展示室。下関観光情報センターにもなっていて、入館無料。

 

2階へ上がる階段から振り返って。


2階・3階の内部のメインは和室!

 

その廊下の様子。


2階の平面図。左の紫の部分は洋室。

 

階段に嵌る格子扉。

 

3階の洋室部分。


3階の和室。中を貫いている鉄筋の柱は微妙に隠されているとのこと。

 

丸い塔の内部は「ただの廊下」でしたが(下記は2階)

 

3階かは屋上への螺旋階段が。

 

屋上の日本庭園も見てみたいですね。

外観も内部も、ノスタルジックな魅力がありました。