日本橋界隈のモダン建築で、まだ見ていなかった大物が残っていました。
昭和5年(1930)築の旧三菱倉庫江戸橋倉庫ビル(日本橋ダイヤビルディング:2014年にに高層部増築の形で保存・建替え)
江戸橋の西側たもとから。
艦橋のような塔屋が建物全体の魅力を増しています。
江戸橋上から西側方向。
ズームすると日本橋が写ります。
江戸橋の東側歩道から見上げた日本橋ダイヤビルディング。
建物北面には2階から4階まで、ベランダの付いた大きなガラス出窓が並びます。
かつては屋上から伸びた2つの「テルファー」という装置が稼働していて、船から各階へ荷揚げしていたそうです。
建物は昭和通りに面していますが20mほどセットバックして建っているので、前の「緑地」からじっくり眺めることができます。
下からですと塔屋がわかりにくいですが。
最上階に並ぶ窓の意匠も可愛らしい印象です。
正面玄関は南西側の隅に。
左右の壁も曲面で、やわらかい雰囲気。
入口右側に立つ説明板。
東京都選定歴史的建造物、及び近代化産業遺産の指定を受けています。
東京都選定歷史的建造物
日本橋ダイヤビルディング(旧三菱倉庫江戸橋倉庫ビル)
所在地 東京都中央区日本橋1丁目19番1号
設計者 三菱倉庫株式会社(昭和5年・1930)
株式会社三菱地所設計・株式会社竹中工務店(平成26年・2014)
建築年 昭和5年(1930)、再開発 平成26年(2014)三代広重が「古今東京名所」で描いた煉瓦造りの「江戸橋三菱の荷蔵」(明治13年・1880)築が、大正12年(1923)の関東大震災により飛び火で焼け落ちたため、昭和5年(1930)に、耐震耐火に優れた鉄筋コンクリート造(一部フラットスラブ構造)の近代的都市倉庫「江戸橋倉庫ビル」(地下1階・地上6階建)が建設された。
船橋を模した屋上の塔屋や上層階の半円窓など、船体を思わせる個性的な外観を持つ、表現主義の影響を受けた代表的な作品。
日本橋川をロンドンのテムズ川に見立て、外国航路の本船が停泊しているのが、このビルのモチーフとする見方があり、横光利一著「家族会議」 (昭和10年・1935)では「三菱倉庫のそびえるあたりの静かな波はペニスに似ている」と表現された。
併設の「トランクルーム』は、昭和6年(1931)、三菱倉庫株式会社が考案・命名し、「江戸橋倉庫ビル」に於いて、本邦で最初にトランクルーム事業を開始した。
「江戸橋倉庫ビル」は建設以来80有余年が経過し、環境も変化したため、平成23年(2011)に外観の約7割を保存して建替える再開発に着手し、平成26年(2014)に地上18階建のオフィスビル「日本橋ダイヤビルティング」として竣工した。
東京都
数段上がって内部に入ると、美しい階段のある玄関ホール。
その左側の自動扉を抜けるとエントランスホールがあり、その一画が模型や映像もある展示施設になっています。
中央区や公式サイトに詳しい解説があります。
https://chuoku-machikadotenjikan.jp/tenjikan/mitsubishisoko/
vol.30 三菱倉庫・江戸橋歴史展示ギャラリー | 三菱グループサイト
こちらは改築前の姿。
平面図も青写真も。
モノクロ写真に惹かれました。
中央の柱の後ろがオフィス入口。
オフィス入口の左手前に、公開スペースへの入口があります。
その先には、川沿いテラス。公式サイトで知りました。
上記の奥から振り返って。
右に見えるのが江戸橋。
テラスから見上げて。かつてはベランダの間を吊り荷が上下していたのでしょう。
テラスにあった解説その1。
その2。
7枚目の写真はこの右の拡大です。
建物の東端部分。
柵の前から。竣工時はこちら側も川に面していました。