前回のつづきの笠置峠(かさぎとうげ)古墳、いよいよ墳頂へ。
大きな竪穴式石槨を保護する施設。
ガラス越しに内部を。
覆い屋を反対側から。
埋葬施設の解説がありました
笠置峠(かさぎとうげ)古墳
埋葬施設
後円部墳頂には、木の棺を置き、その周りを石で囲った埋葬施設(竪穴式石槨)がつくられていました。
この石槨は、周辺で採れるチャート系の塊石(石のかたまり)を積んで作られています。これは古い時期の古墳に見られる特徴です。石槨の規模は、長さ4.6m、幅は東が0.9m、西が0.7mで、被葬者は東に頭を向けていたと考えられます。
埋葬後に行われたマツリ
石槨からは土器、食べ物をかたどったと思われる土製品、農具や工具などの鉄製品が出土しました。
土器には、飲み物を入れたと思われる壺と、食べ物を盛ってお供えするたえの高坏があります。壺の底には穴が空けられ、高坏の上には食べ物の代わりに土製品が供えられていたことから、飲食を伴うマツリが行われていたと考えられるのです。こうした点も古い前方後円墳に見られる特徴といえます。
墳丘の実測図は前方部裾に。墳丘長は45m、4世紀前半の前方後円墳です。
笠置峠古墳
時代:4世紀前半
古墳の形:前方後円墳
古墳の大きさ:東西45m(前方部17m・後円部28m)西予市教育委員会
標高は410m。平地から距離も高さもある山頂に、よくつくりました。
そこからの眺めは最高。南東方向です。
中央に深ヶ川が流れる平地がありますが周囲を山に囲まれています。この深ヶ川は伊予長浜を河口とする肱川の上流部であることに後で気づきました。平地の西端から宇和海までは4㎞弱ですが、100㎞近く非常な大回りをして伊予灘へ注ぎます。
ズームして。平地対岸の丘陵端にも古墳が展開します。
墳頂にあった展望図。
南方向。
西方向。山の向こう側が三瓶港。
後円部から前方部を。
北西方向。
ズームして。奥が佐多岬半島で、手前に海面も写っています。
東北東方向。
東南東方向。
再び、宇和盆地をズームして。平地部の標高は215m前後なので比高差は200m程です。
逆回りに、よろしければ動画も見て下さい。
前方部へ移って後円部を。
ガラスケースが宗教施設のような雰囲気でした(実際そうとも言えますが)
前方部右裾から見上げた墳丘。
後円部から斜面を下ったところに標柱もありました。
その標柱側にあった駐車スペース。
帰りは林道を降りました。
額田大玉さんのサイトで写真を拝見し、いつか訪ねたいと思っていた墳丘でした(雲海の宇和盆地、そこに浮かんでいるような墳丘のパノラマ写真が見られます)