墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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妙見山古墳群(前編) 愛媛県今治市大西町宮脇

前回の相の谷古墳群からは高縄半島の西の根元に移って、来島ドックがある大西町の妙見山(みょうけんさん)古墳群へ。

 

古墳は藤山健康文化公園の中に復元整備されています。駐車場完備の広い公園です。

 

駐車場にあった妙見山古墳の説明板。国指定史跡です。

国指定史跡 妙見山古墳
平成22年8月5日指定
ここから丘陵を登った標高80mの尾根上に、3基の古墳からなる古墳群があります。
このうち妙見山古墳(1号墳)は、古墳時代初期に造られた前方後円墳です。西部瀬戸内の出現期の古墳の中でも大型に造られており、当時この一帯と関係の深い首長のお墓と考えられます。
埋葬施設は、後円部と前方部の2ヵ所で竪穴式石槨が確認されました。後円部で検出された竪穴式石槨は、発掘調査時のまま保存し、見学できるようにしています。
見学については、保存のため時間を限っていますので、事前に資料館にお問い合わせ下さい。
妙見山古墳(1号墳)のデータ
全長55.2m、後円部長37.4m、前方部長17.8m、括れ部幅25.7m
後円部を西、前方部を東にする東西主軸で、北川(海側)が大きく造られています。二段築成で、墳裾と段築部に列石状の葺石がめぐります。
1号竪穴式石槨(後円部)内法 長6.7m 幅1.0m 高0.8~1.0m
2号竪穴式石槨(前方部)内法 長3.8m 幅0.8m 高0.65m~0.75m

 

平成になって発掘調査されています。

復元された妙見山古墳
平成2年~6年にかけて、旧大西町と愛媛大学考古学県研究室によって発掘調査が行われ、その後、古墳を保護し、復元整備が行われました。

 

調査で現れた竪穴式石槨の写真。


駐車場から墳丘へ上がる途中に、1号墳竪穴式石槨の天井石が移された保護・展示施設がありました。

 

大きい方が後円部、小さい方が前方部の竪穴式石槨の天井石です。

妙見山古墳
竪穴式石槨 天井石 展示施設
妙見山古墳の埋葬施設である竪穴式石槨は、後円部と前方部の2ヵ所で発見されました。
天井石は、この竪穴式石槨に蓋をするために置かれた石です。2つのうち、大きいものが1号竪穴式石槨(後円部)、小さめのものが2号竪穴式石槨(前方部)に置かれていた天井石(実物)です。
当古墳の天井石の置き方には特色がみられ、まず長い軸に交わるように、大きな細長い石を間隔をあけて置いていき、その間に少し小さめの平らな石を両側から合掌風に置いています。

 

竪穴式「石槨」と竪穴式「石室」との違いは、棺の周りの空間の大小によるもの(空間が少ない方が石槨)と呼ぶと理解しましたが合ってますでしょうか…

 

後円部側の大きい方の天井石。

 

前方部側の天井石。

 

その先、結構急な坂を登ります。

 

石段も。

 

標識の背後に墳丘が見えてきました!

(つづく)