岡山3日目の墳行は午前中のみで、長船町辺りの古墳を巡った。
この日最初の訪問地、鶴丸丸山古墳には午前8時前に到着。
日本刀で有名な、長船の地にある。備前長船刀剣博物館は西に1㎞。
(鶴山)丸山古墳は国指定史跡。
国指定史跡 丸山古墳
昭和32年10月11日指定
文化財を保護保存し、これを次の世代に引き継ぐのは、私たちの役割であり責務であります。
さて、わが国には古墳が全国的に多数分布しており、その形態は前方後円墳、前方後方墳、方墳、円墳とさまざまですが、小規模のものが多いようです。備前市でも同じことがいえます。
丸山古墳は、昭和11年に梅原末治氏らが調査した結果、大きさ、内部構造、彫刻のある石棺をはじめ数多くの貴重な遺物を出土したことから、わが国の古墳の中でも、まれに見るものとして、その重要性が大きく一般に知られるようになりました。
次に丸山古墳とその出土品を参考までに紹介します。
記
1、所在地:備前市畠田字丸山
2、墳形:円墳
3、規模:標高約60m、直径約60m
4、年代:古墳時代前期(4世紀後半)
5、外部施設:葺石埴輪
6、内部施設:石棺・凝灰岩による家形の彫刻式で、太陽などの模様がある。石室・竪穴式で石英祖面岩で築く。天井・凝灰岩の加工石4枚からなる。
7、出土品(東京国立博物館蔵)
・銅鏡 伝三角縁二神二獣鏡1面 倣製内行花紋鏡その他29面
・石製品 碧玉製四脚盤 合子 坩器台 勾玉 管玉
・鉄製品 刀剣 鏃 斧
昭和57年3月 備前市教育委員会
4世紀後半という早い時期に築かれた大型円墳で、見事な石棺を持つ(ただしそれは埋め戻されている)
まだほの暗い林の中へ。
静かな小径を進む。
小山の頂上に築かれているので、比高差55mを登る。
墳丘の裾に着いて、最後の登り。
石碑が見えてきた。
墳頂の様子。丸山古墳と刻まれた石碑の他は平坦な広場。
周囲は、すべて樹林で展望は無かった。
石碑は昭和13年のもの。
何もないので降り始める。
墳丘斜面から見下ろしたところ。
斜面を横から(または降りてきた路を振り返って。記憶が…)
登り口に戻って。
調べていたら備前市埋蔵文化財管理センターのサイトに到達。なんと2019年12月18日まで企画展「丸山古墳の主体部~石棺の中で眠る~」が開催されていて、丸山古墳石棺のレプリカの”中に横たわる体験”ができるようだ。
サイトには、石棺石材は火山石(ひやまいし)という凝灰岩であることや、副葬品には三角縁神獣鏡をはじめ30数面の鏡や剣、坩形(かんがた)石製品などがあったことも記載されていた。
http://bizenmaizou.ec-net.jp/wordpress/?page_id=30
また、出土品とみられる鏡については天理参考館のサイトに画像があった。
https://www.sankokan.jp/selection/antiquities/a_j_sankakubuti.html
「出土状況がはっきり分かる鏡と、この鏡を比べると錆の付き方や損傷の程度が異なるので、別の古墳から出土した可能性もあります。」とあるのは残念なことだが…
追記
後日、東博の考古コーナーの展示物をよく見ると、この古墳から出土した鏡が8枚も展示されていた。
写真左側の一群。