掛木(かけぎ)古墳は、前回の鬼の窟古墳から車で3分、島内を南北に結ぶ国道沿いにあり、「壱岐風土記の丘 古墳館」という学習施設もある。
駐車場の先がすぐ古墳。
国史跡の石碑が立つ。
ここも堂々とした開口部。元は突き出た石の手前まで墳丘が覆っていたのだろう。
最初の”袖”の先に前室。石室全長は13.6m。
次の”袖”の先に中室。
その奥に玄室。
玄室の奥壁前には石棺が残っている。しゃがんだ位置から。
石棺の前に立たせたので人が大きく写ってしまった。
石棺の左側には蓋の欠片が残っている。
蓋の側面は家形。
玄室から中室を。
中室の側壁は巨石。
逆サイドも。
前室から外を。
壱岐古墳群の解説は鬼の窟古墳にあったものと同一。
国史跡 壱岐古墳群
長崎県壱岐町芦辺町・勝本町(国分・亀石地区一帯)
壱岐島内には、長崎県全体の6割にあたる280基の古墳があり、そのうち200基以上の古墳は6世紀後半から7世紀前半にかけて築造されています。
中でも、双六古墳、笹塚古墳、兵瀬古墳、鬼の窟古墳、対馬塚古墳、掛木古墳の6基の首長墓が「壱岐古墳群」として国の史跡に指定されています。
6基の首長墓の石室内からは、中国大陸や朝鮮半島の国々から認められていたことを物語る遺物が多数発見されており、海外の国々に精通した有力者が島内に存在していたことを窺い知ることができます。
音声解説もあった。
掛木古墳
掛木古墳は、6世紀末ごろに造られた、県内でただひとつの「くり抜き式家形石棺」を持つ古墳です。石室は横穴式で手前から前室、中室。玄室と呼ばれ、鏡、耳飾り、馬具、木棺の釘などが出土しました。
全島マップもあった。 壱岐島は面積138.6㎢。山手線内側(63㎢)が2つ収まる。そこに古墳が280基。
隣の「古墳館」にあった掛木古墳の解説。前回の鬼の窟古墳のものも。
ちょっと変わった壱岐の古墳 ~オンリーワン~
県内唯一の刳り抜き式家形石棺を持つ円墳 掛木古墳
掛木古墳は標高100mほどの丘陵上に築造された円墳です。古墳の規模は現状で南北22.5m、東西18m、高さ7mですが、当時は直径30m程度の円墳だったものと想定されています。石室は羨道を含む、前室・中室・玄室の3室構造両袖式の横穴式石室で、全長13.6mの長さです。玄室には県内唯一の刳り抜き式家形石棺が設置されています。石棺は壱岐産の凝灰岩もしくは軟質の玄武岩を用いて製作されています。長さ1.9m、幅1.0m、高さ0.7mの石材に、長さ1.5m、幅0.5m、深さ0.3mの凹みを刳り抜いています。外寸に対し、刳り抜きが浅く、底厚になっているのが特徴です。
出土代表遺物:鉄製轡・仿製獣帯鏡(青銅鏡)・金銅製環状耳飾など
壱岐島内最長の石室を持つ円墳 鬼の窟古墳
鬼の窟古墳は標高100mほどの丘陵尾根部に築造された島内で2番目に大きい円墳です。古墳の規模は、直径45m、高さ13.5mです。古墳は墳丘の裾部が急傾斜になっています。石室は長い羨道を含む、前室・中室・玄室の3室構造両袖式の横穴式石室で、全長16.5mの長さです。島内の古墳で最長の石室を持つのが特徴です。
出土代表遺物:新羅土器・鈴・鉄鏃など