墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「イサム・ノグチ 彫刻から身体・庭へ」展 @東京オペラシティ アートギャラリー・初台

9月24日まで初台の東京オペラシティ アートギャラリーにて、イサム・ノグチ(1904~1988)の回顧展が開催されている。

入口脇のポスター。

 

10年ほど前に高松市牟礼町のイサムノグチ庭園美術館を訪ねたことがあり、「エナジー・ヴォイド」などの石彫群に圧倒された。それまでは提灯のような灯りをデザインした人というイメージだった。

その後、建築空間や庭園、公共公園など幅広い活動をしたことを知り、つかみどころがないようなイメージを持っていたので、生涯の作品を通観できる本展はとても興味深かった。

 

公式サイトの解説によれば本展の着目点は、抽象彫刻においてさえ常に「身体」を意識し続けた作家が人間をとりまく環境を意識するようになり、空間の彫刻つまり「庭園」への情熱へと拡大していったこと、とある。

http://www.operacity.jp/ag/exh211/j/exh.php

 

「身体との対話」「日本との再会」「空間の彫刻 ─ 庭へ」「自然との交感 ─ 石の彫刻」の4章に分けられた展示。

 

いきなり最初の章で、20代半ばに毛筆で身体を描いた「毛筆ドローイング」の上手さに惹き込まれた。

 

また、創作の幅を広げていく過程において、その道の一流人と組んで、その分野を自分の守備範囲に収めていってしまうところに「凄さ」を感じた。

舞台芸術でモダンダンスのマーサ・グラハムと、陶芸では北大路魯山人と、建築では谷口吉郎やバックミンスター・フラーと、彫刻では石工の和泉正敏、灯りでは岐阜提灯から等々。

 

谷口吉郎と協力して手掛けた、建築・インテリア・工芸・彫刻・庭を含む総合的造形空間である「萬來舎」(@慶応義塾大学:1950-51)のコーナーは平面図や写真、家具の実物などによる展示。たまたま3年前に現地を見る機会があった。

 

会場では2つの作品が撮影可。

堅い玄武岩を素材とした「アーケイエック」1981年。2mほどの高さがある。

山から切り出したものではなく、土のなかに埋もれていた卵形の石の塊を使ったそうだ。

 
和紙と竹と木で出来た「2mのあかり」1985年

 

入場口脇のポスター。

 一般1400円。ぐるっとパスで”入場”できる。 

 

ちなみに、高松市のイサム・ノグチ庭園美術館は往復葉書きで予約して見学ツアーに参加する(撮影は不可)

http://www.isamunoguchi.or.jp/reservation/reservation.htm

 

最大の作品、モエレ沼公園は未探訪。いつか現地でそのスケールを味わいたい。

ストリートビューで。

 

※追記

2019年夏、実際に訪ねることができました。