墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

旧朝倉家住宅 重要文化財(建物編)東京都渋谷区猿楽町

猿楽塚古墳見学の後、隣り合う旧朝倉家住宅を訪れた。

代官山交番前の信号から南西への細道をはいってすぐ右手に門がある。

この日(11/30)は「紅葉句会」が催されていた。

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入場料100円。10:00~16:30(3月~10月は~18:00)

常時(月曜等以外)、しかも100円で貴重な重要文化財が見られとは素晴らしい。

渋谷区/重要文化財 旧朝倉家住宅

 

はいってすぐは玉砂利の広いスペース。紅葉の間に門があり庭園へと続く。

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そして上記の右手に主屋の玄関がある。

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大正8年竣工。施主は東京府議会議長等を歴任した朝倉虎次郎氏。今の朝倉家当主・徳道氏はヒルサイドテラス槇文彦設計)のオーナーだそうだ(Wikipediaより)

建物は戦後、(社)中央馬事会に売却されて農水省への譲渡を経て、昭和39年から旧経済企画庁の会議所として使われ、平成16年に国の重要文化財の指定を受けて渋谷区の管理のもとで公開されることになった(所有は文化庁

 

朝倉徳道氏は猿楽塚古墳にあった「猿楽神社縁起」の説明版にも名前のあった方。下記のサイトにお写真もある。


上記サイトはとても丁寧につくられていて、近郊の歴史(貴重な写真や絵図)や、

江戸近郊農家の歴史|ヒルサイドテラスオーナーズサイト

 

保存に至った経緯などが、詳しく紹介されている。

重要文化財 旧朝倉家住宅によせて|ヒルサイドテラスオーナーズサイト

「飄飄踉踉記」という貴重な写真が満載のブログもあって大変興味深い。奥の深いサイト。

 

猿楽塚古墳は「奇跡で」残ったのではなく、朝倉徳道氏をはじめ多くの方々の尽力があってこそだったとわかった。
 

玄関は城郭を思わせるような趣。屋根に微妙なふくらみ(むくり)がかかっている。

 

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小石川の銅御殿(大正2年竣工)の玄関は「てりむくり」だったが、こちらは「むくりむくり」

 

こちらの施設では解説ツアーのようなものはないが、解説パネルが充実していた。英訳もあるので海外からの旅行者にもおすすめ。

施主の朝倉虎次郎氏は精米業で財をなしたが、さきのHPによれば精米業を始めたのは旧山手通り沿いを流れていた三田用水を水車の動力にできたからで、最盛期には341本もの水車があったそうだ。341本って仮に3m置きの設置だったら1kmにわたって連綿と水車が続くことになる。

下記は屋内の説明パネルより。

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建物平面図(1階)玄関から奥への軸が長い。

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玄関右手の洋室。

解説パネルによれば、旧朝倉家は華族や財閥ではないので洋式の宴会を催す必要がなかったので洋館は建てなかったが、来客への配慮から一部屋だけ設けられた。折上格天井が見事。

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玄関左手の応接間(和室)に続く廊下。主屋は、ほぼ全室が畳敷きだったそうだ。

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年中行事などで正式に客を迎えた12畳半の応接間。

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かつての「仏間・中の間・寝間」の3部屋を改装した会議室。この日の午後はここで句会。なので公開時間が限られていた。

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奥の「杉の間(表)」

崖線の上にある建物から目黒川に向かっての斜面がはじまる場所。座りながら樹木の上部を見渡すことができる。右の隅の障子も外したら樹海に飛び出す舳先のようになるのではないか。

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畳の上で紅葉を鑑賞できる。部屋の隅の注意書きには「当館は観覧施設です。横にならないでください」とあった。そうなる気持ちは理解できる。

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この部屋の解説では「杉の木目を意匠のテーマにした趣味的な数奇屋座敷で、当主はここで陳情などの私的な客を応接しました」とあった。

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中庭も広くて明るい。

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2階へ上がることもできる。

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2階の座敷の南側(南西側)の廊下。窓はガラス面が波打つ古いタイプが使われているところもあった。

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2階の座敷。ここは虎次郎が公職にあった際、会合などに使用していたようだ。

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2階座敷から庭の眺め。

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窓のそばからガラス越しの庭。かつては富士山も見えたとあった。

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庭園編につづく。