墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

大谷1号墳(大谷・定古墳群) 岡山県真庭市上中津井

2023年秋の岡山県墳行の2日目、まずは北へ向かって真庭市の大谷1号墳へ。

 

駐車場に停めて舗装路を歩いた先の右手に…

 

近世の石垣のような容姿。

 

その説明板。

史跡 大谷・定古墳群
真庭市上中津井の地では7世紀に入ってから、定東塚・定西塚・大谷1号・定5号・定4号という6基の横穴式石室の方墳が次々と築かれました。これらを総称して大谷・定古墳群といいます。
6基の各古墳はいずれも石垣状の列石を有する段構造の方墳であることを大きな共通点としており、技術的に一連の系譜上にあることを示しています。
出土遺物をみても、大谷1号墳の環頭大刀や定東塚古墳の金製品に代表される豪奢な副葬品などから、大谷・定古墳群の被葬者がこの地域を治めていただけの首長にとどまらない、かなり広域に影響を持つ特殊な立場の人物であったことが十分に考えられます。
7世紀代というこの時期の古墳が特定の地域に集中し、連綿と築かれるというあり方は西日本でも大変珍しく、そのことから大谷・定古墳群は国の史跡に指定されました。
真庭市教育委員会

 

大谷1号墳
3段の墳丘と前面に2段の基壇をもつ5段築成の方墳という全国的にもあまり例のないもので、規模は東西で22.7m、南北で16.2m、高さは1段目から墳頂まで8mを測ります。
石室は両袖式の横穴式石室で、切石を積み上げて築かれています。埋葬には木棺と陶棺の2種類の方法が用いられています。陶棺は大谷・定古墳群中で唯一の須恵器のものです。

石室内は酢で盗掘されていましたが、奥壁に沿ったところに金堂装環頭大刀と金銅製品が盗掘から免れ遺っていました。


【金銅装双龍環頭大刀】(岡山県指定重要文化財)
石室の奥壁に沿う形で出土しました。全体を金色で飾った大変豪奢な作りで、全長は110㎝です。柄頭には2匹の龍が向き合い玉を噛む姿を表した彫刻が施されています。
【金銅製品】(岡山県指定重要文化財)
環頭大刀の鞘尻付近で出土しました。長さ10㎝、幅7㎝で精巧につくられています。儀仗の先端として用いられていたと考えられ、差し込まれていた柄の一部が遺っています。具体的な用途については不明ですが、環頭大刀などとともに権威の象徴としての意味を持っていたと考えられます。

 

斜面に左端に階段。

 

近づくと迫力が増します。

 

通常の古墳のような斜の線ではなく、垂直線と水平線で成り立つ墳丘。

 

開口部を正面から。

 

切石を組んだ端正な室内を、柵越しに。

 

横から見る墳丘。斜面を利用して築いています。

 

墳丘の背面。


背面側から墳頂を。

 

斜め後ろから。

 

開口部の上部を。

 

4段目から下段の”石垣”は、横は後ろまで続いていません。

 

5段目の隅から見上げて。

 

開口部を下の段から。

石の構造物を外部に見せつけている感じです。十分に見せつけられ、魅せられました。

 

このあと、すぐ近くの定古墳群も訪ねました。