2019年下期・第162回直木賞の受賞作、「熱源」もサハリン(樺太)を主な舞台とし、樺太アイヌを主人公とした物語です。(史実をもとにしたフィクション)
2020年本屋大賞にノミネートされた作品でもあります。
1年以上前に買ったまま“積ん読”の状態でしたが、前回エントリの「サガレン」でサハリン島に興味がわき、ページをめくり始めたら夢中になって読んでしまいました。
物語では樺太・サハリン島に生まれたアイヌの主人公(たち)を軸に、話のところどころに実在した人物~ロシア皇帝暗殺を謀った罪でサハリン流刑となったポーランド人(ピウツスキ)やアイヌ語研究家としての金田一京助、探検家の白瀬矗や大隈重信も登場します。
明治の初めから第二次大戦までの約60年間、ちょうど樺太・サハリン島の領有が日露の間で綱引きのように揺れ動いたその時代のその土地に、偶々生まれて生きて翻弄された人々が、自らの故郷にそして民族に抱いた熱き魂を感じさせる”大河小説”でした。
綱引きの様子はこちらで
これを読んで、ますますサハリン島への興味が深まりました。