今回の埼玉(さきたま)古墳群探訪で最後に回った墳丘が、博物館のすぐ東側に残る瓦塚(かわらづか)古墳。
前方部右裾から。右奥に後円部。全長73mの前方後円墳。
前方部先端側の内堀。
現地説明板。
瓦塚古墳
全長73mの前方後円墳です。ほかの前方後円墳と同じく周囲には長方形の堀が二重に巡り、墳丘のくびれ部には造出しと呼ばれる張り出しがあります。また、造出し正面の外堀には、通路と見られるブリッジ状の掘り残しがあります。
整備に先立つ発掘調査の結果から、その周辺の中堤には、琴を弾く男子、踊る男女、武人などの人物埴輪、盾形埴輪、家型埴輪など多種の埴輪が並べられていたと推定されています。
墳丘内部は未調査であるため、埋葬施設の大きさ、副葬品の内容など詳しいことはまだ分かっていません。古墳の造られた時期は、出土した遺物から6世紀前半から中頃と推定されています。
平成21年(2009)3月 埼玉県教育委員会
空中写真を見ると、後円部先端側が少し削られていることがわかる。
博物館の「散策サイト」にも解説がある。
瓦塚の由来は明治期、近くに瓦を作る職人が住んでいたことによるそう。
墳丘の西側のくびれ部付近の造出しからは須恵器が大量に出土。須恵器と埴輪がまとまって出土したことから埼玉古墳群の築造順を検討する際の指標になってきたとのこと。
埋葬施設は未調査だが墳丘規模と築造時期から竪穴系が想定され、築造順序は二子山古墳の後、奥の山古墳の前に位置付けられるそうだ(資料館のガイドブック・2020版より)
瓦塚古墳出土の埴輪は、企画展で目立つ位置に配されていた。
センターは武人埴輪。
琴を弾く男子(右)と、踊る男女。
盾形埴輪、その後ろには屋根に鰹木が載る家形埴輪。
2階建ての家形埴輪も。
水鳥形埴輪や犬形埴輪。右後ろは馬を曳く人物。
盾持人埴輪は、別のコーナーに、他の古墳の盾持人と一緒に展示されていた。