2011年に単行本で出た本が文庫版で出版されていた。
戦後から現在に継続している日本人の住宅に対する考え方を、本当にそれでよいのかと問い、解決策のヒントを提示されている。
今のところ引越しやリフォームの予定はないが、建築を見るのは好きなのでつい手に取った。イギリスの住宅との比較はもとより、なぜそのようにつくるのか、を合理的に考え抜くことで、ひとつの哲学が示されているように思えた。
北向きの快適、ガラス貼りの不快、和室・応接間・ベランダは不要など、なるほど、と思える意見が並ぶ。
去年の秋に銅御殿でも庭は座敷の北に面しており、南向きに咲く花を愛でるためと説明に納得したので、北向きもアリかと思った(ただし庭付き一戸建ての場合)
その人その人の「人生の思想」を形にしたものが住宅であり、大切なことは「個人」から発想することである、という結びにとても共感できた。