墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「はじめての土偶」 監修:武藤康弘監修 取材・文:譽田亜希子

現在上野で開催中の国宝展では、11/16から国宝土偶5体が一堂に会しているはず。

それらをはじめとした土偶の全体像を、テーマ別にわかりやすく解説したガイドブック。A4版の大きさを目いっぱいつかった写真がつかわれており、縄文時代の造形美が伝わってきます。

はじめての土偶

はじめての土偶

 

はじめの方の4枚のページに、年代を表頭、地域を表側にした写真入り年表が載っていて全体像をつかむのには重宝します。

国宝土偶以外にも沢山ある、面白い土偶、美しい土偶の紹介がありました。

下記のHPに写真がある、滋賀県の相谷熊原土偶(13000年前)は日本列島出土の最古の土偶であるにも関わらず、ギリシア彫像のような印象すら感じます。

第43回企画展図録 「『人』・『自然』・『祈り』 共生の原点を探る 縄文人が語るもの 」 | 滋賀県立安土城考古博物館

しゃがむ土偶は、佐倉の歴博でレプリカをじっくり見ましたがとても面白い。

ところで国宝の合掌土偶は、発掘された日本列島展で「座位の姿勢で棒を握って出産を行う女性の姿」の説が紹介されていたのですが、この本でも、そして東博の国宝展でも一切触れられていないのはなぜなのでしょうか・・・

 

また土偶と直接は関係ありませんが、「武藤教授の縄文講座」の頁では、縄文住居の復元について、触れられていた内容が興味深かったです(以下に抜粋。本書42頁)

「現在、各地の遺跡公園で復元されている住居は、実は山陰地方の江戸時代の製鉄小屋にその原型があるのである。このような古代の住居の復元を最初に手掛けたのは、東京大学工学部の教授や博物館明治村の館長も務めた関野克(せきのまもる)博士である。関野博士の古代住居の復元モデルは、その後各地の遺跡公園でお手本として普及することになる。現在は、この復元案とは異なった、東北アジアや北米の先住民の竪穴住居である、屋根を土で葺いた土葺きの住居も、各地の遺跡公園で見られるようになっている」

 

今後は土葺きが主流になるか?