墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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三内丸山遺跡・縄文時遊館(さんまるミュージアム) 青森県青森市三内丸山

この日は、東北の大規模縄文遺跡をハシゴした。

国特別史跡・三内丸山遺跡は、新青森駅から徒歩33分。ということで、ここでもタクシーを利用。

 

十数年前に一度来たことがあるが、その後の2002年に竣工した施設は初めて目にした。

三内丸山遺跡へのゲートにもなっている「縄文時遊館」で、出土品の展示室や収蔵庫、体験工房やレストラン・ショップがある。

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展示室及び遺跡エリアは、今年4月から有料となった。一般410円。

遺跡全体を俯瞰するジオラマの場所で、遺跡エリア方向と常設展方向とルートが分かれる。

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三内丸山遺跡は、今から約5900年前~4200年前の縄文時代前期中頃~中期末に営まれた集落跡。

地理的には、青森湾に注ぐ沖館川の右岸、八甲田山から続く標高20〜30mほどの台地先端にあって、面積は公園域外も含めた全体で約42ha(TDL49haに近い)

年間平均気温は今より2~3度暑く、海面は現在より5m前後高くて、集落は海辺の河口に面していた。

豊かな落葉広葉樹の森を拓いて集落を形成した後はクリの木を育てて管理していたとのこと。海と森の恵みを組み合わせ、通年で安定した生活をしていたそうだ。

https://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/about/door/

営まれた期間は1700年の長きにわたり、最盛期には500人が暮らしている(後でガイドさんから伺った)

 

まずは常設展示室へ。 

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江戸時代から”遺跡”として知られていた場所だったが本格的な発掘は平成4年から。野球場建設が計画されて調査が進められ、その2年後に保存が決定された。

遺跡からは膨大な量の土器や石器、土偶や岩偶、装身具類、骨角器、木製品、漆器、動・植物遺体、寄生虫卵などが出土し、それらの一部が展示されている。

植物の種子も出て、DNA分析によりクリの栽培が明らかになっている。

 

こちらは重要文化財の指定を受けた「縄文ポシェット」(と、クルミの実)

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ヒノキ科の針葉樹の樹皮素材を網代編みにした小さな袋で、中にクルミが入った形で出土ている。

 

別の角度から。

ポシェットというネーミングは、5000年も前の人々をとても身近に感じさせる効果を上げている。(自分も効果を受けた)

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土偶は板状のものが多く出土しているようだ(約5000年~4500年前)

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立体のものもある。(約5000~4000年前)

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こちらは重要文化財の大型板状土偶(約4500年前)

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耳飾りやヘアピン。

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針も重要文化財。

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黒曜石製石槍。

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水晶を削り出した矢じりも。

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そして縄文土器。

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実用性が感じられるので展示販売のよう(?)

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赤色顔料や漆が付着した土器も。

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実物土器の入った剥ぎ取り地層も。

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竪穴式住居の”スケルトン”

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墓(大人の墓)は、ムラの道路の脇に列に並んで作られている。
穴の壁際に板を立てたものや、穴の周りに石を並べたものなどがあり、中から矢じりや調理用の石、装身具が見つかることもあるそうだ。

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整理作業室や収蔵庫も”見せる展示”になっている。

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地下の収蔵庫は圧巻。

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破片を復元した作業を思うと、気が遠くなった。

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壁面は「縄文ビッグウォール」

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本物の土器の破片が、時代順に下から上に、5900年前→4200年前の順に取り付けられている。

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外の遺跡のガイドツアー開始の呼びかけアナウンスがあったので、急いで集合場所へ向かった。