墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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葛飾区郷土と天文の博物館  東京都葛飾区白鳥(京成線・お花茶屋駅)

11月の3連休初日、下の子がサッカー練習から昼前に帰ってきたので、親子3人でプラネタリウムを見に行くことにした。

浦安から車で40分ほどで行ける葛飾区郷土と天文の博物館へ。

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昨年(2013年)10月に柴又八幡神社を訪れた際に埴輪を見ようと立ち寄ったが、長期休館中で入れなかった。

無料の駐車場も整備されていた。大人は入館料100円、プラネタリウム利用料350円 だったが、この日は小学生は無料だった。

14時15分ごろに着いて、14:30からの上映(1時間)が始まるのですぐに3階に向かった。120名くらいの収容人数で、3,4割の席が埋まっている感じだった。

下の写真の右の階段を上る。手前は床に貼られた地図のシートだが、「赤青メガネ」をかけて見ると3Dで立体的に見える仕掛けになっていた。

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3階天文展示室の入口には、ガリレオ式屈折望遠鏡、ニュートン式反射望遠鏡、 ケプラー式屈折望遠鏡、カセグレン式反射望遠鏡の4台の望遠鏡が並んでいて、吹き抜けの先の壁の「星」を見ることができる。

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望遠鏡の先の「吹き抜けの先の壁」

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吹き抜けには「フーコーの振り子」もある。

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天文展示室の中央には「大アーミラリー」 この大きな構造物は16世紀ケプラー以前の天体望遠鏡発明前の時代に、デンマークの天文学者ティコ・ブラーエが天体の位置の観測に使った装置の復元模型。

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このほか屋上の望遠鏡がとらえた太陽を、直径160cmの大きさで光学的に投影する装置があり、その時の太陽を観察できてとても面白かった。大きな黒点があったが、まるで生き物のようだった。

 

プラネタリウムのプログラムは「太陽系のフロンティア」という60分もので、太陽系の基礎知識や地元葛飾のその日の星空とともに、つい最近の快挙ニュース、欧州宇宙機関(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」が10年の旅を経て、着陸機「フィラエ」をチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸させたことの解説があった。

 

驚くことに60分の解説はすべて生アナウンス。確かに昔みたプラネタリウムも録音解説ではなかったが、そのような手法は今では珍しい(つまり貴重)なのではないか。

自分にも少しウトウトする時間帯があったが、息子はなんと暗くなったらすぐに寝てしまっていた。プログラム終了後は寝覚めが悪く不機嫌になりすぐに帰ろうという始末。こちらの博物館の埴輪の展示を見るためにプラネタリウムで「魅力づけ」したはずが逆効果になってしまった・・・

 

ということで、歴史部門は短時間鑑賞。縄文時代から昭和の時代まで、地元の資料をもとに詳しく解説した興味深い展示だった。

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一番見たかったのはここ。

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右下の帽子をかぶった男子像が2001年に「寅さんはにわ」として脚光をあびた柴又八幡神社出土の埴輪頭部。

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寅さんがいるのならと、こちらは「さくらさん」

言われればそのように見えてくる。

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寅さん・さくらさんの話は、去年(2013)参加した見学会で知った。

この会では神社本殿直下の石室も特別に見学できて、とても面白かった。

 同古墳では馬形埴輪も出土している。

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葛飾区は、かつては今の千葉側、下総国の西の端だった。

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なので、寅さん埴輪もさくらさん埴輪も、下総型埴輪の典型。

1年前に、千葉県香取市の小見川市民センターいぶき館で見た、城山古墳群の素晴らしい埴輪と「そっくり」

 

現在の葛飾区があるあたりの「大嶋郷」のアップ。6番が柴又八幡神社。

嶋俣里、甲和里は正倉院文書(721年・養老5年)に記されている地名で、嶋俣が今の柴又、甲和(こうわ)が小岩になっている。江戸の歴史も古い!

中央を、「走水ー木更津航路時代」の後の古東海道が横断する。右の点々の先が市川の国府台(国府)につながるが、11番が立石様(京成立石)、12番が南蔵院裏古墳、13番が熊野神社古墳で、どちらも古墳時代後期の古墳。未探訪なので行ってみたい。

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博物館には、中世の葛西城の展示も。

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環状7号線が本丸跡をぶちぬいているが、この工事で遺構が確認されている。

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戦後の町工場の再現。いまでも動きそうな機械。

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屋内に建物が復元されている。板壁の建物の感じは浦安市郷土資料館とにている(当たり前か)

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室内に上がって遊べるようにもなっており、白黒テレビも「活きている」

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まさに3丁目の夕日の世界。

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プラネタリウムを見ないのであれば入場料は100円。

アクセスはよいとは言えないですが、大人がじっくり楽しめる穴場だと思います。