墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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芝山はにわ博物館・釈尊館(芝山仁王尊) 芝山町立芝山古墳・はにわ博物館

前回のつづき。

殿塚・姫塚古墳から2kmほどの場所に、芝山仁王尊(芝山はにわ博物館)と芝山町立のはにわ博物館がある。両者の距離は、徒歩5分くらい。

はじめに芝山仁王尊 観音教寺へ。お寺は台地の端にある。石段下の平地に町立の広い駐車場がある。

石段の上には巨大な仁王門(明治7年落慶) 仁王様は門の中の畳の部屋で参拝する。

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門をくぐると右手に三重塔(1797年~1836年にかけて築造)高さ約25m。

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境内の不動堂。昭和29年創建(再建?) 端正なお堂。お寺のHPには不思議な縁が。

http://www.evam.ne.jp/niouson/keidai-fudou.html

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このお寺の付属施設として、本堂の右に、芝山はにわ博物館がある(大人600円)

写真撮影不可なので紹介できないが、人物埴輪の常設展示としては質・量あわせると東日本一ではないか。

芝山はにわ博物館・釈尊館

下記はパンフレットより転載。

「当地方の大型古墳、殿塚・姫塚(国史跡)から出土したはにわをもとに昭和32年に設立。その後も発掘調査を重ね、現在はにわのコレクションは、県文化財9点を含む150余点を数えます。展示では、静謐で神秘性をたたえた芝山はにわの美しさにスポットをあてると共に、縄文土器、丸木舟などを加え、かつて房総に繁栄した古代文化をわかりやすく紹介しています」

 

大英博物館で見た、「ひげの男」に似た埴輪もあった。

【再掲載】大英博物館の展示(茨城県出土の埴輪)

ロンドン自然史博物館 大英博物館 ナショナルギャラリー @ロンドン - 墳丘からの眺め

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帽子と髭が特徴的で、芝山仁王尊にある姫塚古墳の埴輪と、やはりそっくりだった。芝山仁王尊のサイトでは小さくてわかりにくいが、下記の芝山町のサイトがわりと見やすい。

芝山古墳群(殿塚・姫塚)出土埴輪(しばやまこふんぐん(とのづか・ひめづか)しゅつどはにわ) | 千葉県芝山町ホームページ

 

仁王尊のはにわ博物館では、これら姫塚古墳の墳丘に立っていた埴輪など、50体ほどを見ることができる。

 

この後、すぐ近くの町立の方の芝山古墳・はにわ博物館へ。大人200円・小人100円。

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Wikipediaでの博物館の紹介。

「千葉県は、古墳所在基数が全国第二位の13,112基、遺跡出土遺物量も全国三位に上り、特に前方後円墳については677基が確認されており全都道府県中最多であり(2位は茨城県の445基)、そして芝山町の周辺には、5世紀から8世紀頃にかけて造営されたと推定される古墳群が集中しており、埴輪等の出土品も豊富である。これらの歴史遺産を、小学生にも親しめるように「わかりやすく、かつ楽しく、現代からみた古墳時代を」とのコンセプトに基づき展示する施設として、1988年(昭和63年)5月1日に、芝山公園内に開設された。」

 

博物館の入口は石室入口を模している。

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 自分はこれまで当博物館が発行する「房総の古墳を歩く」の本とサイトを頼りに千葉県の古墳を巡って来ました。平成10年旧版発行で平成18年改訂版発行。それが当館受付で平積み販売されている。定価1000円。

 

こちらの博物館は撮影自由。

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解説がとても充実している。こどもにも理解しやすいよう、イラストも豊富。

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山武型と下総型の違いの説明もあった。

 いくつかあるが、手(指)の表現が細かいのは「山武型」(補修かも知れませんが)

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下総の古墳に特有の石枕の展示は3点あった。

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古墳時代の人物の等身大の模型。

毎年11月上旬の埴輪祭りでは大勢が古代衣装を着る(今年は行ってみたい)

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パネル展示も充実。特に地図に見入ってしまった。「芝山古墳・はにわ博物館」の名の通り、古墳に関する解説が充実している。

殿塚・姫塚周辺(武射ムサの国)の古墳地図。

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東京湾沿岸、内裏塚~姉崎にかけての「古墳ベルト地帯」

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下のパネルは「古代の地理環境からみた九十九里の地域社会と東北への道」

古代のこの地域が、東北へ向かう交通の要衝だったことを示している。

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 「ヒゲの武人埴輪・下総型埴輪・雲母片岩の石材などの特徴的な遺物は、この香取海を介する交流によって各地に運ばれた遺物である。古代において東北系の遺物が出土する点も、九十九里が香取海を介して東北と深く結びついていた点を示している」

~「はにわと共に生きる町 殿塚・姫塚古墳調査の過去・未来」より転載。

 

こちらの博物館では、イベントにも力を入れている。

8月28日が「はにわの日」だとは気がつかなかった・・・

::芝山町立芝山古墳・はにわ博物館::