墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「塩田千春展 魂がふるえる」 @森美術館・六本木

6月20日から10月27日まで4か月以上にわたって開催される、塩田千春の個展へ行ってきました。

 

作品はエントランスの頭上空間にも。 作品タイトルは「どこへ向かって」

 

公式サイトによれば天井から吊られた舟は65艘。

https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/shiotachiharu/04/index.html

 

そんなに多くあったとは。

 

入口のサインは縫って描かれた雰囲気。

ほとんどの作品は撮影可で、観客のほぼ全員がカメラ・スマホを構えていた印象でした。

以下、これから展覧会へ行く方にはネタバレになります。余計な先入観が付くかも知れないので飛ばして下さい。

中へ入り込んで包まれるような三次元作品は、その場に行かないと味わえない、写真だけでは伝わらないものだとは思いますが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初の大部屋は「不確かな旅」 

 

舟が燃え上がっているように見えました。

3次元の立体作品を、紐(糸)を編み上げることによって実現しています。

 

公式サイトではこのようなインスタレーションの特徴を、没入型(イマーシブ)と名付けています。

https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/shiotachiharu/03/index.html

 

その部屋にあった作家の言葉。

 

 

続く部屋では作家の修業時代(?)の映像などが見られます。

海外留学中のパフォーマンスでは泥水をかぶり続けたり、裸で木の下の穴に潜り込んだりと、荒行のようでした。 

 

外が見える部屋では、ミニチュアおもちゃなどが置かれて一息つけます。

 

「静けさの中で」は空気が重くなった印象。

 

焼けたグランドピアノ。

 

観客席の椅子も焼け残った骨組み。

 

火事の記憶が元になっているようです。

 

煙りの彫刻とも言えるのでは。

 

黒糸の密になる空間部分は、映画リング(出る前の影)を思い起こしました。

 

「時空の反射」は、ひとつは鏡像であることが後で解説を読むまで気づかなかったです。

 

「内と外」は、ベルリンの壁崩壊後に取り壊された建物から集められたもの。

 

建物は重厚な石や煉瓦であったのに白い木枠窓は軽やか。絵画の額縁の集まりのようにも見えました。

 

 終盤には「集積:目的地を求めて」が。動きもあって面白いです。

 

ここではスーツケースが主役で、紐は脇役になるでしょうか。

 

確かにかつて、荷物とともに期待や不安もパックされたことが、それぞれにあるのでしょう。

 

ある方のブログで、使われている紐(糸)の総延長は280kmとありましたが、本当かどうかは確認できていません。

 

おすすめの展覧会だと思います。 

一般1800円。ぐるっとパスで割引(200円)がありますが、前売り券は300円引き。