前回のつづき。
体験ツアーの後、森美術館で開催中の展示を見に行った。
ベトナム人アーティスト、”ディン・Q・レ”のアジアにおける初の大規模個展。
会場は写真撮影可。
上記の開催主旨から後半部分を抜粋。
ベトナム戦争終結から40年、日本にとっては戦後70年の節目を迎えたいま、国家や社会の「公式な」歴史の陰で語られることのなかった市井の人々の名もなき物語を読み直しつつ、アートと社会のより密接な関わりを探ることはきわめて重要な課題ではないでしょうか。本展ではディン・Q・レの作品とユニークな活動を通して、私たちの過去と現在、そして未来について考えます
ディン・Q・レは、1968年ベトナムのカンボジア国境付近ハーティエン生まれ、1978年にポル・ポト派の侵攻を逃れるため家族とともに渡米。カリフォルニア大学サンタバーバラ校にて美術学士課程、ニューヨーク視覚芸術学校美術修士課程を修了し、写真とメディアアートを学んだ。在ホーチミン。
ドイツ、イタリア、ソウル、シンガポールなど多数の国際展に出ており、アメリカやオーストラリアでは個展も開催されている。
ディン・Q・レについて | ディン・Q・レ展:明日への記憶 | 森美術館
写真を引き伸ばした作品。原画は著名な写真。
農民とヘリコプターという作品。
ベトナム人技術者と農民が独自に開発したヘリコプター。
自作感あふれるコックピット。
その隣では米軍ヘリによる攻撃体験のインタビューとハリウッド映画や記録フィルムの映像とが同じスクリーン上に映される。
さらに、その隣では「地獄の黙示録」と 「プラトーン」(前者はマーティン・シーンと後者のその息子のチャーリー・シーンが出演)という米軍側視点の場面を同じスクリーンの左右で流していた。
こちらは一見可愛らしいが強烈なインパクト。タイトルは「傷ついた遺伝子」
「抹消」というタイトルの作品。
床一面に撒かれた裏返しのプリント写真を一枚拾う。
写真には人物が1人写っている。その行いの意味するところがタイトルの抹消と重なる仕組み。
CG合成画面だが次々と海に米軍ヘリが落ちる。
ハノイ陥落時に南ベトナムから脱出する人々を乗せたヘリが米軍の船に着艦した際に、次のヘリの着艦スペースを空けるために次々と海に落とされたことをイメージしている。
こんな作品も。
見どころ・作品紹介 | ディン・Q・レ展:明日への記憶 | 森美術館
52階ギャラリーでは機動戦士ガンダム展ももクロ大冒険Ⅲ(展望ギャラリー内)も開催中だった。
外は真っ白で何も見えなかった。もちろん屋外デッキも閉鎖中。
下記は5月に来たときの写真。