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墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

「屏風にあそぶ春のしつらえ~茶道具とおもてなしのうつわ」展 @泉屋博古館分館 六本木一丁目

常設展、企画展

先月のナビ派展に引き続き、”ブロガー内覧会”への参加機会をいただきました。

今回は泉屋博古館分館で開催の、江戸期の屏風絵や茶道具の展覧会。2/25から5/7までの開催で3月末に展示替えがあります。

東京:企画展紹介|泉屋博古館 住友コレクション

 

美術館は地下鉄南北線六本木一丁目駅から徒歩3分。改札前から屋外に出てエスカレーターを上がっていくと左手に独立した建物があります。

2002年に開館しましたが、こちらで展示を見るのは初めてでした。

 

開催前の2/24の夜。

 

はじめに野地館長と森下学芸員から、美術館や企画展の内容について20分ほどの説明があり、その後に展示室にてギャラリートークを拝聴しました。

※館内は撮影禁止ですが、内覧会は美術館より特別に撮影の許可をいただいています。

 

展示室は2部屋で、作品点数は60展ほど。そのうち半数以上が茶道具類ですが、色彩豊かで保存状態に優れる見事な屏風絵に感動しました。

・二条城行幸図屏風 紙本金地着色 江戸時代17世紀 作者不詳

 

寛永3年(1626)に、徳川秀忠・家光の招きに応じて、後水尾天皇や中宮和子(秀忠の娘)らの一行が、京の街を二条城に行幸する様子が賑やかに、華やかに描かれています。2頭立ての牛車には天皇や中宮や将軍が乗っているそうです。

 

沿道で行列を見物する人々の数の多さに圧倒されます。2双の屏風に描かれている人数は3226人とのこと。

 

左右の屏風に連なって描かれた行列は上下で異なる通り・時間帯が描かれています。

徳川秀忠や家光が二条城から御所に天皇を迎えにいって、”数献かたむけた後”今度は二条城へ向かうという形。

下段は右から左方向・中立売通りを御所方向へ、上段は左から右方向・堀川通りを二条城方向へ向かっています。

行列の総延長は2.6kmで、先頭が二条城に着いても最後尾はまだ出発していないという一日がかりの”パレード”であったようです。

 

地図の部分のアップ。青いルートAが堀川通りの上段で、赤いルートBが中立売通りの下段です。

画中の人々について説明するパネルやデジタル機器による動画解説もありました。

細かく描かれていて隅々まで見たくなります。単眼鏡が欲しくなりました。

 

 この作品についてのガイドブックも出ています。

 

 

他にもいくつか屏風絵が。

こちらは扇面散・農村風俗図屏風。右に桜が描かれた農村ののどかな風景(前期展示)

 

人のいない室内で着物だけが何枚も描かれた「誰ヶ袖図屏風」は謎めいた雰囲気を出していました(前期展示)

 

もうひとつの展示室でも、茶道具の他に掛け軸や屏風絵が。

左の「春秋秋草図」(のうち「春」)は珍しい油彩の屏風絵。画家は香田勝太で大正6,7年の作。

右の「桜図」は菊池容斎が弘化4年(1847)に描いた、現在の東博の前あたりに戊辰戦争までは立っていた桜の木だそうです。花や枝のひとつひとつまで描かれていて妖しい魅力がありました。

 

館長によるギャラリートークの様子。 

 

展示のテーマに「邸宅を飾るしつらえ」というコーナーもあり、モネの初期作品などもありました。

壁の映写展示では住友家の邸宅が。こちらは現在この美術館が建つ辺りにあった「麻布別邸」(大正6年完成)

 

野地様、森下様、関係者のみなさま、貴重な機会を設けていただき、誠にありがとうございました。 

 

本展は入場一般800円。3/27~29は展示替えで休館となるそうです。

 

ちなみにこちらの泉屋博古館分館では2017年11月3日から12月10日まで「典雅と奇想~明末清初の中国名画展」が開催されるそうです。

住友コレクションの白眉、徐渭や石濤、八大山人らの作品が見られます。

先月1月に東博の「董其昌とその時代展」にて「廬山観瀑図」や「安晩帖」の出展があって驚きましたが、秋にはその他の作品も一緒に来ることと思います。

重文 安晩帖|八大山人 清 康煕33年(1694) 紙本墨画淡彩 各縦31.7㎝ 横27.5㎝|泉屋博古館 住友コレクション

開館記念展や10周年記念展でも分館で展示されたようですが見逃していました。

短い期間ですが大変貴重な機会だと思います。