光明山古墳の見学後は、そこから徒歩20分にある秋野不矩(あきのふく)美術館を訪ねた。
すぐ先で天竜川と合流する二俣川。川底までよく見えた。
美術館入口。建物は丘の上にあり、入口脇の駐車場からも結構登る。
最初は砦のように見える建物。
折り返しのコーナーあたりから。
最後の上り。擁壁はコンクリートブロックに杉板が貼られている。木製電柱に白熱灯の街灯は夜の様子も見てみたくなった。
美術館の全貌。平成10年に開館した美術館建物は藤森照信の設計。
城塞のような形だが、壁はコンクリや石ではなく、土や木が用いられているのであたたかみがある。前庭の芝生の緑も効いていた。
壁から突き出ているのは雨どいで、雨の日には滝のような光景になるそう。
外壁はワラと土を混入した着色モルタル。
屋根は長野県諏訪産の鉄平石で葺かれ、木材は地元特産の天竜杉が使われている。
出入口は左端の一ヶ所。
引き戸を開けて入っていく。浜松市の施設なので入館料は一般800円(特別展開催時、それ以外は300円)
入ると靴を脱いでスリッパに履き替える。
第1展示室の床には籐ござが敷かれ、第2展示室の床には大理石が敷き詰められていた。エチオピア産のピンクがかった大理石はひんやりして気持ち良かった。
内部の様子。太い梁と漆喰壁。
入口脇のテラス(喫煙スペース?)
来る途中に見上げた砦の上だった。奥は天竜二俣の街。
展示室以外は撮影可だった。
2階へ向かう際に通る土壁の通路。
壁と天井の角の部分が、丸く柔らかい処理になっている。
階段脇は板材を写し取ったようなコンクリート。
2階の廊下。
開館20周年特別展「絵本にみる日本画展」の開催中だった(2018/6/3まで)
絵本原画と独立の作品とが並べられるように展示されていた。
本展における秋野不矩(あきの ふく)の作品は、絵本「いっすんぼうし」の原画や「少年群像」など。
公式サイトによれば、秋野不矩(1908~2001)は明治41年に地元の天竜二俣に生まれた日本画家。20代から官展などで実績を重ねたが、戦後「創造美術」に参加して人物画に新境地を開き、54歳でインドの大学に客員教授として招聘されてからはインドや周辺国の風景や人々、寺院などを描いている。1999年に文化勲章受賞。
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/akinofuku/artist.html
ほかにも絵本の原画として、竹山博の「ちいさなきかんしゃ」、竹内浩一の「羅生門」、三橋節子の「雷の落ちない村 」、福井江太郎「駝鳥」など。
岡村圭三郎による「海女の珠とり」は、ダイナミックな画面構成で物語の世界にぐいぐい惹き込まれた。
実際の絵本が手に取れるコーナーも。
8月4日から9月17日まで、なんと藤森照信展が開催されるとのこと。
昨年水戸芸術館で見た展示もよかったが、実際に手がけた建物での展示は、とても気になる。
行かれる際は二俣のノスタルジックな街並みと、天気がよければ光明山古墳と光明寺奥の院もセットにされるとよいかと思います。