墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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築地界隈の建築巡り・24  東京都中央区明石町・築地4丁目・銀座7~8丁目・新富1丁目

中央区の近代建築物調査のサイトには、いくつか料亭の建物も紹介されている。

 

聖路加タワーの近くで広い敷地に建つ昭和6年築の、つきじ治作。

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壁に大きな文字で屋号が。これこそ看板建築か。

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上記写真の右手側、隅田川方向にも建物が長く続く。

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前の道路に面しては50mほどもある。

つきじ治作 中央区ホームページによれば、中央区内最大級の本格的料亭建築で、戦前日本の割烹王と言われた本多次作の東京初の記念碑的店舗だそう。
かつての隅田川沿いにはこのような料亭が立ち並んでいたようだ。

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異世界へ誘うような玄関の佇まい。

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グーグルアースを見ると、ロの字形の建物の中に庭園が造られていた。

公式サイトあり。 名物の水たきコース25000円から。

つきじ治作【公式】

 

こちらは新大橋通り沿いの築地4丁目、築地場外市場の向かいに建つ、新喜楽。 

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新喜楽 改造 中央区ホームページによれば昭和4年の築で、吉田五十八が手がけた新興数寄屋建築の代表作になるそう。

芥川賞・直木賞の選考が行われる会場としても著名。

日本二大料理屋、日本三大料亭の一つと言われるとのこと。

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グーグルアースで見ると屋根が大きい。

 

南西側から。

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新大橋通り北西の裏道側から。

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通常は一見さんお断りですが、ダイナースクラブの会員になると予約できるそうです。昼は2.5万円、夜は4.0万円が目安。

新喜楽 | ダイナースクラブカード 日本で最初のクレジットカード

 

新喜楽とともに日本二大料理屋・日本三大料亭のに数えられる「金田中」は、新喜楽の西に首都高を挟んで250mほどの銀座7丁目にある。

左のビルは新橋演舞場。

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こちらも敷居がとても高そう。

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が、公式サイトがあって昼席は電話で予約が可能。 

「新ばし 金田中」料理、芸能、調度、日本文化の集大成である老舗料亭。【ご予約のご案内】

夜席は紹介のみとのことですが、AMEX ・ダイナースでは予約できるそうです。

 


同じく銀座7丁目にある「松山」

検索すると、食べログには電話番号のみの情報で、口コミ数はゼロ。謎めいているところが魅力?

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そこから60mほど先、道路を渡った角の銀座8丁目には「東京吉兆」

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検索するとホームページがありました。

東京𠮷兆本店 | 東京𠮷兆 | Tokyo Kitcho

今は休業中でメニュー等は載っておらず、お弁当とケータリングのみで営業されているとのことです。

食べログには完全予約制の電話番号が書かれていますが、やはり一見さんお断りとも。 

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こちらも堂々たる和風建築ですが後ろのビルと接続する造りとなっていました。

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料亭を検索していたら新橋花柳界のサイトもありました。


銀座8丁目には竹葉亭本店もあります。

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竹葉亭 中央区ホームページによれば創業は明治9年で、建物は大正13年の築。

「銀座で少なくなった、戦前の木造料亭建築として貴重」とあります。

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公式サイトあり。

竹葉亭 本店

竹葉亭 本店 メニュー:おすすめ - ぐるなび

うな丼なら3000円からとリーズブルでした。一度訪ねてみたいです。

 

最後に新富町を歩き回っていて気になっていた、こちらの「躍金楼」 

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建物も庭木も塀も、美しく手入れされていて魅力的です。

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割烹 躍金楼 中央区ホームページ によれば、新富の花柳界の名残を今に伝える料亭で、創業は明治6年の老舗、現在の建物は昭和24年の築。

お客からの出資、大工棟梁等の協力によって造られた建物だそうです。

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先の解説によれば「大広間など、料亭建築の特徴が良く受け継がれている」そうです。

公式サイト歴史と由来|割烹 躍金楼によればお昼なら3000円位から。

一度訪ねて、室内を目にしたいです。

料亭の建築はやはり内部世界が主役になるのでしょうから。

 

中央区等でランチ付き室内見学ツアーを主催していたけだると超人気になると思います(値段次第ですが)

築地界隈の建築巡り・23  東京都中央区入船~築地の消失物件

このシリーズを始めたきっかけは、無くなってしまった建築に気づいたことにありました。

 

その後に中央区のサイトなどで、他にも最近になって無くなった建物があったことを知りました。

ストリートビューで遡ると画像が残っているものもあったので、わかる範囲でまとめてみました。

 

入船1丁目、昭和4年築の久長家住宅があった場所。

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「典型的な町家の構えを持ちながら、一部に銅板を貼付け、看板建築への過渡期を示す」もので「入船地区にあって、太平洋戦争中の建物疎開を奇跡的に逃れ残存した建物」だったそうです。
元は米屋さんで、俵を積むために1階の土間の天井が高くなっていたとのこと。

久長家住宅 中央区ホームページ

 

2020年の2月つまり1年前までは、きれいな形で残っていたようです。

 

こちらは築地6丁目、長屋建築が周囲に残る駐車場。

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2017年9月時点のストリートビューを見ると、寺社風の名残りがある建物が。以前は、お風呂屋さんだったように見えますが…

 

こちらの東京ノスタルジアさんのブログにて、旧入船湯と知りました。

旧入舟湯 中央区築地 - 東京ノスタルジア

ほかにも、ノスタルジックな建物が満載です(現存しないものも多数)

 

こちらは築地7丁目で真新しいマンションが建つ角地。 

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2017年10月時点では、2階に素敵なベランダがある看板建築がありました。よく見ると2階の窓には「撮影禁止」の貼り紙が何枚も。

 

晴海通り沿いの歩道で目にした「周辺地図」では、築地7丁目の大宗旅館の近くに「濱野家住宅」の表示があるのに気づきました。

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何度か行ってみて、判明した現状。

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2014年4月時点のストリートビューには、堂々とした木造家屋が写っていました。

 

中央区のサイトに昭和2年築とある君野家住宅の跡では、新しいホテルが完成間近です。

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君野家住宅 中央区ホームページによれば、関東大震災の跡に魚市場の移転とともに築地に移転した事務所で、正面の切妻平入りの背後に切妻妻入りの建物が接続する特殊な町家建築だそう。

2019年5月時点ではしっかり残っていましたが。

 

前出のサイトの解説には「君野家の向いは看板建築が多く残る一画であり、震災後の昭和初期の歴史的な界隈を形成する」とありますが、今はその一画全体を覆うように大型マンションが建設中。

 

その一画(築地7丁目2番地)を北東側から。

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同じ場所から。2018年4月。

 

ストリートビューでは、細い路地の中まで見ることが出来ます。 

 

中央区のサイトにはこの一画全体の解説もあり、「看板建築が群として残る町並み」で「近年になって看板建築群の1階部分にはそれぞれビストロバー、居酒屋などが入り、隠れ家的な飲食店が集まるスポット」となっていたそうです。

築地6丁目2番 中央区ホームページ

 

6丁目2番地で、一棟だけ残った建物を愛おしく感じました。

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