墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

紀伊國屋ビルディング(新宿本店) 東京都新宿区新宿3丁目

昨年11月、新宿にて一足早い忘年会があった。久々の新宿だったので、店に行く前にブラブラと。

三越が「ビックロ」に変わってから6年半が経過。

 

その斜向かいには、昔ながらの紀伊國屋書店。

 

2017年に東京都の歴史的建造物に選定されている地上9階・地下2階の建物で、書店の他に紀伊國屋ホールや画廊、物販・飲食店が入っている。

昭和39年(1964)3月の竣工で設計は前川國男。

 

https://www.kinokuniya.co.jp/c/company/pressrelease/20170323100038.html

携帯電話のない時代に、待ち合わせ場所として使った人も多いのでは。

 

前出の紀伊國屋書店のサイトによれば、前川國男は「何か一息つける場所を造りたい」と考えて1階の広場を設けていて、両袖の湾曲したタイル壁や反りあがったバルコニー庇は街行く人を建物に誘い、広場から裏の通りへ抜ける街路のような空間は「建築が都市環境との関わりの中で果たし得る可能性を提案した好例」として高く評価されてきたそうだ。

「反りあがった庇」は、同じく前川國男が手がけた東京文化会館(昭和36年:1961年竣工)の雰囲気を受け継いでいるように見える。

 

このときは左隣が更地になっていた。

 

奥に深い、巨大な長屋のような建物であることがよくわかった。 

 

タイル壁に貼られた、年季の入ったサイン。

 

”裏へ抜ける通路”には化石屋さんもある。

 

アンモナイトのお値段は300万円。

 

通路を抜けると通りを隔てて「アドホック」

 

そこから振り返っての紀伊國屋ビル。

 

このあと、ゴールデン街の会場へ向かった。

RCRアーキテクツ展 夢のジオグラフィー @TOTOギャラリー・間

RCRアーキテクツは、ラファエル・アランダ(1961年~)、カルマ・ピジェム(1962年~)、ラモン・ヴィラルタ(1960年~)の3人が、スペイン・カタルーニャ地方オロットに1988年に設立した建築スタジオ。

2017年に3人揃ってプリツカー賞を受賞した他、国内外で多数の受賞歴がある。

 

前回の田根剛展とは対照的にシンプルな構成で、壁際にはこれまでの作品が動画と模型で示され、中央にはカタルーニャ地方ガロッチャで進行中のプロジェクト「ラ・ヴィラ」のイメージが展開されていた。

 

「ラ・ヴィラ」エリアの広大な絵地図が広がり、ドローイングが示される。

ガロッチャは35万年前から1万年前まで幾つも噴火があった火山地帯で、国立自然公園でもあるそうだ。

 

こちらはいただいたパンフ。

 

その「ラ・ヴィラ」に造る建物のひとつである「紙のパヴィリオン」の模型。

 

軒は人の目線ほどで、屋根は紙製?

 

その柱や梁には吉野杉が使われる。中庭に展示されたモックアップは後に現地に移築され実際の建築の一部になるとのこと。

 

上の階では「吉野の森 ラ・ヴィラの森」という24分のドキュメンタリー映像(制作:鈴木久雄、ジュリア・デ・バイェ)が壁一面に映し出されていた。

RCRは長年にわたって日本文化の影響を受けているそうで、水彩で描かれた”和紙の森”も展示されていた。

 

「夢のジオグラフィー」というコンセプトは自分にとっては難解な内容だったが、哲学的な雰囲気に魅力を感じた。

3/24まで。入場無料。

 

グーグルアースで見た現地。

具体化された「ラ・ヴィラ」をいつかこの目で見てみたい。