墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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来迎院 多宝塔 茨城県龍ヶ崎市馴馬町

前回のつづき。 

龍ヶ崎歴史民俗資料館へ行った際、すぐ近くに重要文化財の多宝塔があることを知ったので訪ねてみた。

直線距離で西に400mほどの来迎寺。 

 

境内に入ってすぐに、端正な姿の多宝塔があった。

 

説明板によると、室町後期の築で関東以北に現存するものでは最古の塔といわれるそう。

国指定重要文化財 多宝塔
平成18年12月19日指定 種別:建造物 管理者:来迎院
この多宝塔は室町後期の建築物で、関東以北では現存する最古の塔といわれている。16世紀に江戸崎城主土岐治英が建立したとされ、その考証がなされてきた。
平成10~12年度に実施した改修工事では、多宝塔の宝珠の銘文に「希代廟塔修繕之為壇越」とあることが確認され、弘治2年(1556)に土岐治英が祖先の霊を祭る希代の塔を修復するために施主を務めていることがわかった。このことから、建立年代はさらにさかのぼるものと思われる。
建物は三間多宝塔、屋根はこけら葺。上・下層とも唐様の組物で下層は出組、上層は四手先である。下層は各面中央間に浅唐戸を配し、両脇間は欅材の一枚の板壁である。上層は各柱間に幣軸が立つが、下層中央間に位置する幣軸は一回り大きく、東西面は建具入りとなっている。
この地方ではほとんど類を見ない多宝塔形式で、よく室町時代の特色を示している。形式上から、また建立年代の古さからも、極めて貴重な文化財である。
平成19年10月 来迎院 住職 深谷尚永

 

羽を広げたような軒。

 

円形に巡る高欄。その下の漆喰で造られた白い膨らみは亀腹(かめばら)というそうだ。

 

2層目の屋根を支える隅の組物が長く延びる。

 

どの方向から見ても綺麗な姿だった。

 

こちらは本堂。

 

古そうな地蔵様にも参拝した。

つづく。

龍ヶ崎市歴史民俗資料館 茨城県龍ヶ崎市馴馬町

前回のつづき。

千葉県印西市の道作古墳を見学後、利根川を越えて北に車で30分ほどの龍ヶ崎市の博物館と古墳を訪ねた。

鉄道だと常磐線の佐貫駅で関東鉄道龍ヶ崎線に乗り換えて2駅目の終点の町。

 

まず向かったのは龍ヶ崎市歴史民俗資料館。想像していたより大きな施設だった。 

 

平成2年(1990)の開館で、常設展示では県指定無形民俗文化財の撞舞(つくまい)、原始古代から近代までの資料と、昭和の暮らしの道具や民具などが展示されている。

入館無料。

 

入口のそばに置かれた、昭和41年式(1966)のスバル360。
平成17年まで39年間乗られたオーナーによって寄贈されたもの。

スバル360は江戸東京博物館や埼玉県立歴史と民俗の博物館にも展示されているが、可愛らしい姿に場が和む。

 

火曜と木曜には機織りの実技が見られるようだ。左奥が無形民俗文化財・撞舞の展示。

 

展示室に入って最初が考古系のコーナー。

 

 縄文の土器や石器なども充実。

 

土偶の展示もあった。 

 

龍ヶ崎駅から3kmほど北東の台地上のニュータウンがある長峰エリアには縄文遺跡や古墳、中世の城など古代から連綿と人が活動した痕跡が残っていたが開発の波に飲まれてしまった。

 

長峰古墳群の3号墳、12号墳、17号墳から出土した埴輪たち。

 

長峰城第36号墳から出土した内行花文鏡(ないこうかもんきょう)は龍ヶ崎市の指定文化財。
円の内側に8つの扇状の模様を持ち、それが花弁のように見える。
茨城県内では3例目で、中国大陸から輸入された舶載鏡であれば県内2例目となるそう。

 

長峰古墳群から出土した大刀やガラス小玉。

 

こちらは中世のコーナー。 

 

板碑などの展示。 

 

龍ヶ崎鉄道のコーナーもあった。 

 

昭和のくらしの展示品の中には「懐かしい」ものも。

 

こちらで購入した図録、発行は2003年。

気になる墳丘の写真もあったので、この後に訪ねてみた。

 

こちらの資料館には屋外展示もある。

昭和40年まで龍ヶ崎鉄道で活躍していた蒸気機関車。大正14年の製造。

 

その説明板。

 

足元の様子。

 

屋根の下で大事に保存されている。

 

正面の蓋が開いていたので中を覗いてみた。

 

後ろ姿。

 

このカーブに惹かれた。

 

運転室を横から。

 

中の様子。

 

出発進行したいが線路は続いていない。

 

こちらは商家と、農家で農具を収める「まで屋」

 

たばこのショーケース。

 

こちらはお菓子の陳列ケースか。

 

市内の商家で実際に使われていたものだそう。

 

こちらが「まで屋」

 

軒裏に船が載っていた。

つづく。