墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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西隈古墳 佐賀県佐賀市金立町

雄大な船塚古墳を訪ねた後は、嘉瀬川を超えて東に5㎞、やはり高速沿いの西隈古墳へ。

 

南側からアプローチします。最後の十字路から北方向。

 

そこから振り返った南側。周りの道路は車一台幅ですが、この先の墓地に車を停めさせていただきました。

 

十字路から北へは進むと、車乗り入れ禁止の看板。

 

その先に西隈古墳がありました。

 

標柱、説明板あり。後ろで農作業中の方がおられたので、声をかけてから見学。

史跡 西隈古墳
西隈古墳は金立山南麓の緩傾斜丘陵上に位置し、直径約30m、高さ4mの二段築成の円墳である。封土には円筒埴輪がめぐらされ、葺石が設けられていた。
内部主体は横穴式石室で墳頂部に設けられ、西方に開口している。石室規模は玄室が奥行3.3m、幅1.5m、高さ1.7m、羨道が長さ2.8m、幅1.2m余を計る。玄室内部には、長さ2m、幅1.2m、高さ1.3mに及ぶ凝灰岩製の長持型石棺がおかれており、石棺の正面には円形及び山形等の幾何学模様が陰刻されている。
本古墳は、昭和30年12月、佐賀県教育委員会が調査を実施したもので、以前に盗掘にあり副葬品は検出されていないが、幾何学文様を陰刻した石棺を有する県下に類例のない古墳であって古墳時代の文化究明上貴重な存在とされている。
佐賀県教育委員会

 

墳丘へ上がって道路側(東)を。

 

南側に広がる佐賀平野。

 

墳頂の立ち木の裏に穴があり

 

そこに施錠された開口部。

 

スマホケースを置いてみました。

 

内部には横口式の家形石棺。蓋石上部が、かまぼこのように丸みを帯びています。

手前側の板石は凹形ですね。

 

フラッシュで。

側壁にも石棺内外にも赤色が残っていますが、手前板石の右面の左上隅(白い色の上の方)には円文があります。

 

佐賀市のサイトによれば、石室石材は花崗岩、石棺材は阿蘇山系の凝灰岩。玄室主軸方向に設置された石棺は4枚の板石の組み合わせで底石は持たず、カマボコ形に近い寄棟の石棺蓋には玄両長側辺に各2個の環状縄掛突起があるそうです。

盗掘にあっていて甲片・鉄鏃等の遺物がわずかに出土したのみですが、石室・石棺の構造より5世紀末ごろの築造と推定され、環有明文化圏における石棺系装飾古墳の代表例として重要な位置を占めるとのこと。

西隈古墳 - さがの歴史・文化お宝帳