前回のつづきの古市古墳群見学ツアー。
野中(のなか)古墳は、前回の墓山古墳の北50mほどにある方墳です。
古代人に”墳”した、羽曳野市世界遺産・文化財総合管理室の吉澤室長に解説いただきました。
その解説板。11”領”の甲冑が埋納されていた方墳です。
野中古墳
国史跡:1995年2月21日指定
藤井寺市野中3丁目
時代:古墳時代中期
古墳の形:方墳
墳丘一辺長:37m、2段築成
出土したもの
短甲11、冑11、刀剣169、鉄鏃740をはじめとする多種・多量の副葬品(重要文化財)、周濠から臼玉を主とした4万点超の滑石製模造品
野中古墳は、墓山古墳の後円部北側に位置する方墳です。墳丘の周囲には濠が巡るが、埋没保存されています。
墳頂部における発掘調査では、少なくとも5列の木箱に多数の武器、武具、農工具が納められていることが判明しました。墳頂部からは陶質土器や鎌・斧・刀子をかたどった石製模造品も出土しました。
藤井寺市 平成28年3月
臼玉が4万点超とは、取り出す方も数える方も相当大変だったのでは。
解説板の古墳群分布図部分。
グーグルアースで。
墳丘の様子。
墳頂から説明板側を。
南側、民家の後ろには墓山古墳。
北東方向(中央)には誉田御廟山古墳(応神天皇陵)も。
墳丘を東側から。
出土した甲冑の写真は、3年前に特別展示のあった九博のサイトでご覧になれます。
九州国立博物館 | 重要文化財 野中古墳出土甲冑の期間限定展示
野中古墳についての情報は、1964年に発掘を担当した大阪大学のサイトに詳しく掲載されています。被葬者像についての解説も(当古墳は副葬品埋納のための陪塚で埋葬は無かった説も含めて)