坊の塚古墳を見た後は北西に4㎞、丘上全体がテクノプラザとして開発された一画に残る、船山北古墳を訪ねました。
駐車場(2台分)の脇に説明板。
船山北古墳群・古窯跡群
この公園が所在しているVRテクノジャパンの敷地は、かつて、樹木に覆われた丘陵地でした。そこには多くの古墳が分布し、貴重な窯跡が埋もれていました。
この遺跡は、平成5~8年の期間に発掘調査された後、3基の古墳について復元整備を行い、この公園内にて保存公開されることになりました。
平成10年11月
各務原市教育委員会 (財)岐阜県文化財保護センター
すぐ先に形のよい円墳が(復元墳丘でした)
開口部側へ回り込んでショック。
閉塞状態まで再現されていました…
船山北1号墳
直径約13mの円墳です。横穴式石室は、全長3.09m、最大幅1.56m、高さ1.8mの大きさです。内部からは、須恵器3点が出土しました。築造時期は7世紀中頃~後半と考えられます。
土を盛り上げ、古墳築造時の状態に復元しました。石室は保護も兼ね、死者を納めた後に入口を塞いだ状態にしてあります。
1号墳の奥に斜面上への通路があり、上がっていくと2基。
まずは奥の大きなほうへ近寄りました。
墳丘は、タンポポに似たちょっと背が高い花に覆われていました。
3号墳の開口部。
右端に見えいている説明板は写し忘れました。下記は古墳マップさんにて掲出された写真から。
船山北3号墳
直径約11mの円墳です。横穴式石室からは、須恵器17点が出土しました。築造時期は7世紀後半と考えられます。
天井には巨大な石が架けられています。床面には礫が敷かれ、境石が配置されています。
土を盛り上げ、古墳築造当初の姿に復元してあります。
扉越しに内部が見られました。
奥壁上部、タイルのように配された石がきれいでしたが、これは当初からのものでしょうか。
3号墳裾には、周濠の解説も。
船山北3号墳周溝
3号墳に伴う周溝です。形は三日月状で、全周していません。このような周濠は、古墳の墳丘を造るときに、周囲を削り出したことによってできたものです。内部からは須恵器の甕が出土しました。
周溝の保存については、表面に透水性の舗装を行って形が崩れないようにしています。
3号墳の東隣に2号墳。
まさに開放的。
石を間近で見られます。
2号墳の説明板。
船山北2号墳
直径約14mの円墳です。横穴式石室からは、須恵器38点、土師器1点が出土しました。築造時期は7世紀中ごろと考えられます。
石室の奥壁には巨大な1枚石が用いられ、両側壁には玄門立柱石という縦長の石が配置されています。
内部を自由に見学できるよう、天井石は外してあります。
奥壁に向かって。
奥壁を背に。袖石にあたる部分が玄門立柱石でしょう。
奥壁の後ろ側から。周囲は緑に囲まれた研究施設です。
坊の塚古墳からの道すがらで思わず車を停めて撮りました。