墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

城ノ山古墳・池田古墳 兵庫県朝来市和田山町東谷・平野

前回の堀畑1号墳を見た後は円山川を4㎞半遡り、和田山駅に近い2つの古墳へ。

 

城ノ山(じょうのやま)古墳は、国道9号のトンネルの上。この感じは、墳丘があるのでトンネル化されたのでしょう。

 

が、墳丘への道は金網で閉ざされていました。

 

北東側の丘陵裾(墓地)から見上げた城ノ山古墳のあたり。

 

振り返った和田山駅方向。


北西側には、国道で分断された池田古墳。

 

国道の北東側が前方部になります。

 

国道を南西側にくぐると説明板がありました。

 

城ノ山古墳は径36mの円墳、池田古墳は全長141mの前方後円墳です。

但馬の王墓「池田古墳・城ノ山古墳」
城ノ山古墳は、山の尾根の先端につくられた、直径約36mの円墳です。長さ約6.4mにおよぶ木棺の中から、三角縁神獣鏡をはじめとする鏡6面のほか、多くの副葬品が納められていました。こららの副葬品の納め方が、畿内における巨大な古墳と共通することから、ヤマト王権の一員になった但馬の最初の王であったと言えます。
池田古墳は、但馬地域最大の前方後円墳です。城ノ山古墳から約200m離れてつくられており、全長約141m、周濠を含めると約170mを計ります。古墳の表面は葺石や埴輪で飾られていたことがわかっています。埋葬施設は明らかでありませんが、和田山町高田に存在する長持形石棺がそれではないかと考えられています。

 

池田古墳からは、水鳥形埴輪がなんと23体も出土。

池田古墳の調査でわかったこと
朝来市や兵庫県立博物館の発掘調査によって、いろいろなことがわかってきました。造り出しの確認、渡土堤の発見、埴輪とそのおまつりの方法などです。造り出しは古墳から飛び出した施設で、主におまつりをする場所です。東側では水鳥形埴輪をはじめとした埴輪を使い、西側では埴輪のほかにミニチュアの土器でおまつりをしていました。渡土堤は古墳と周濠の外をつなぐ道路のようなもので、造り出しとともにつくられた当時の前方後円墳の姿を解明する上で、とても貴重な発見です。また、出土した水鳥形埴輪は23体を数え、全国最多を誇ります。

 

3年前に、この水鳥形埴輪を見る機会がありました。

特別展 埴輪の世界 @兵庫県立考古博物館・兵庫県加古郡播磨町大中 - 墳丘からの眺め

 

豊岡市立歴史博物館でいただいた「但馬古墳手帖」には下記の記載が。

池田古墳

墳丘の形状と規模:前方後円墳 全長約135m

埋葬施設の種類と規模:ともに不明

築造時期:5世紀

県内4番目、但馬では最大規模の前方後円墳である。墳丘の上部は現存しないが、発掘調査により鍵穴形の周濠に囲まれた3段築成の墳丘であったことがわかっている。儀礼の場である造出(つくりだし)などお発掘されており、周濠の水際では全国でも最多数の水鳥形埴輪が出土した。被葬者は但馬地域の広範囲に勢力をもっていたと考えられる。

 

この後に訪ねた、茶すり山古墳資料館で見た映像がわかりやすかったです。

 

造り出しのあたりを左側から。

 

後円部上になると思います。

 

左側のカーブが後円部縁でしょうか。

 

墳丘の右側。低くなっているところは周濠だと思われます。

 

グーグルアースで。左下が後円部、右上が前方部。周堤跡を道路が通っているようです。

 

墳丘跡上から南東方向。

 

トンネル上の城ノ山古墳までは200mほど。