前回の菅間王塚古墳から600m西の、竹原笹塚古墳も訪ねました。
細い農道沿いですが、入口付近はちょっと道幅が広くなっています。
案内標識からの小径。右奥に祠があるところが墳丘です。
その手前に説明板があるのですが、反射で思いの外ばっちり自画像が映ったので文字起こしのみで。
長野市指定史跡 竹原笹塚古墳
昭和42年11月1日指定
積石塚古墳であり、墳丘はやや原形を変えているが、横穴式石室を持ち、羨道部を南方にして開口している。
石室の大部分は壊れているが、当地特有の屋根形天井のある合掌形である。
玄室の基部は平らな面を内に向けて、高さの同じ大石で四方を囲み、長方形の竪穴を設けている。その基部上に長さ1.5m、幅1m~1.7mの平石3枚ずつを中央に傾けて立て、石室中軸線の上方で組み合わせて屋根形にしている。
玄室部は、長さ4.2m、幅1.4m、高さ1.8m。羨道部は長さ2.7m、幅0.6mある。
屋根形天井のある石室古墳は、長野盆地周辺に30余基あるが、当古墳の石室は規模が最も大きく整っている。
成因については、百済の公州所在の古墳中に相似の構造を持つものがあることから、朝鮮半島との関係が推察され、造営は古墳時代後期の6世紀半ば頃のものと考えられている。
平成27年1月14日 長野市教育委員会
下記の長野市文化財サイトによれば、墳丘は直径26m・高さ3.6mの積石塚のような円墳で、出土遺物として馬具の轡1・雲珠1・鉸具(かこ)2や、鉄鏃が知られているとのこと。
詳細検索 | 長野市文化財データベース 頭で感じる文化財 デジタル図鑑(頭感)
回り込むと開口部。
大変貴重な、積石塚+合掌屋根形天井の石室を持つ古墳です。
頂部の接する部分が嵌るように石を加工しているようです。
そんな天井が3連!
しゃがんで入れる高さです。
こちらの天井は光が漏れているので、接する部分は…
6世紀半ばの築造ということは1400年以上を経ていますが、石板のトランプタワーのような単純構造の状態は、築造当時のままなのでしょうかね…
奥壁の前で。
奥壁から振り返って。
今地震が来ないことを祈りつつ。
外に出てほっとして”石屋根”を横から。
振り返った景色。
農道から南側の景色。
北東側のあんず畑。
あんずの花を堪能しました。
竹原笹塚古墳から1.6㎞南東にも、合掌形の横穴式石室をもつ積石塚の桑根井空塚古墳があることに今気づきました(毎度のパターン)
しかも、昇寛さん選の”関東甲信百名穴”(竹原笹塚古墳も含まれます)の一つでした…