墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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御年代古墳 広島県三原市本郷町南方

広島空港で車を借りて最初に向かったのは御年代(みとしろ)古墳。

空港の南5㎞ほど、三原市を河口とする沼田川の支流の三次川、のさらに支流の尾原川沿いの立地。

飛行機からも見えた河口までは12㎞程。

 

国道2号線沿いでもあります。古墳の近くに「ほんごう古墳の里駐車場」がありました。

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駐車場から5分ほど歩きます。

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道からも開口部の標柱が見えました。

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最後の上り。説明板が迎えてくれました。

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史跡 御年代古墳
昭和8年(1933)4月13日指定
この古墳は、明治28年(1895)国道改修工事により発見されたものである。特に、この石棺は屋根形で非常に優美に削られている。この横穴式石室は6~8世紀の間に我国で流行したものであり、7世紀中頃の築造と考えられる。内部から発見された副葬品は、国立東京博物館に収められている。この古墳の主の名前は現在知ることはできないが、おそらく沼田地方の首長の墓と考えられる。
三原市教育員会

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開口部を見ると大きな石棺が!

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正面側から広角で。羨道部側壁の板石も巨岩。

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なんですかこの大きさ。

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ボタンを押すと照明が。すぐと後ろの玄室(後室)にも、もうひとつ石棺が!

羨道・前室・後室という造りでした。

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最初の石棺と側壁の間を蟹歩きして後室へ。

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後室の石棺のほうが小ぶりに見えました。

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側壁の加工技術が見事です。

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後室を奥壁に向かって。

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振り返って、”前室”にある石棺を広角で。

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前室の天井石。

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後室の側壁。継ぎ足された部分もぴったりに加工。

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奥壁を背にして開口部を。2両編成の列車屋根のよう。

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羨道部石棺の一方は人は入れない狭さでした。

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開口部からの眺め。国道2号の向こうに尾原川があります。

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旅の冒頭に、いきなりガツンとやられました。

 

広島県のサイトに詳しい解説があります。
墳形は円墳と考えられ、花崗岩の切石製の横穴式石室は後室・前室・羨道からなり、全長10.7m。後室は長さ3.6m・幅1.9m・高さ2.2m、前室は長さ3m・幅2.2m・高さ2.2m、羨道は長さ4.1m・幅1.55m・高さ1.9mで、前室、後室に花崗岩製の刳抜式家形石棺が収まる。後室の家形石棺は長さ2.46m・幅1.07m・高さ1.38m。

出土遺物(金環、金銅製馬具、須恵器等)や家形石棺などか7世紀中頃の古墳とみられるとのこと。

広島県の文化財 - 御年代古墳 - 広島県の文化財 | 広島県教育委員会

 

三原市の資料には発見当時のことが記載されている。

道路工事用の石材採取目的で山裾の石を爆破し暗い穴が口を開いた時には、「地獄の入口じゃあ」と叫び声があがったそう。

https://www.city.mihara.hiroshima.jp/uploaded/attachment/6548.pdf