墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

旧川崎貯蓄銀行富沢町支店(ハリオグラスビル) 東京都中央区日本橋富沢町

日本橋富沢町には、威風堂々とした西洋古典様式の建物が現存しています。

馬喰横山駅、小伝馬町駅、人形町駅からのほぼ中間点。

 

正面玄関は北東の角。

f:id:massneko:20210909210901p:plain

 

玄関左側の短辺。3階は増築部分。

f:id:massneko:20210909211013p:plain

 

2階の軒まで伸びる付け柱の上部は華麗なコリント式。

こちら側の1階入口の軒意匠もとても凝っています。

f:id:massneko:20210909211035p:plain

 

現在はHARIO株式会社の本社です。

1921年の創業当初から一貫して耐熱ガラスの企画・製造・販売をおこなっている、日本で唯一工場を持つ耐熱ガラスメーカーだそう。鉄製看板も味わい深いです。

https://www.hario.com/about_us.html

f:id:massneko:20210909211052p:plain

 

川崎銀行は昭和初期には八大財閥の一角を占め、グループ傘下には常陽銀行・千葉銀行(の前身)・足利銀行・明和銀行・横浜銀行(の前身)・日本信託銀行・第百生命保険・日本火災海上保険などを擁していましたが昭和18年に三菱銀行に合併されたそう。今は不動産管理を行う下記の会社が残っていて、ホームページにはこの建物を含むいくつかの建造物も紹介されています。

川崎定徳株式会社|今も残る歴史的建造物

 

この旧川崎貯蓄銀行富沢町支店は昭和7年の竣工。

設計した矢部又吉(明治21年~昭和16年)は、建築道楽といわれた二代目・川崎八右衛門から多くの建築を任され、明治村にファサードだけ移転された本店(昭和2年)や佐原三菱館になっている佐原支店(大正3年)、佐倉市立美術館となっている佐倉支店(大正7年)など10棟が残っているとのこと。

上記のサイトには、竣工時の富沢町支店の写真も載っていてクリックで拡大もできます。

 

現在の長辺側(南西面)

f:id:massneko:20210909211126p:plain

 

南側から。

こちら側の付け柱2、3本分くらいは後からの増築のようです。

f:id:massneko:20210909211150p:plain

 

こちらの方のブログに、詳しく書かれていました。

元島根県民のお部屋(島根県の近代建築) 旧川崎銀行富沢町支店(ハリオガラス本店)

株式会社HARIOの本社となったのは平成12年とのことです。

 

道路を隔てたトイ面にはSAPIXがあるので、模試を受ける子どもの付き添いに来た親御さんには覚えがあるのでは。

f:id:massneko:20210909211231p:plain

 

実は自分もその口で、2016年9月にも写真を撮っていたのでした。

f:id:massneko:20210909212557p:plain

 

このときは正面玄関の柱に、工芸品のような照明器具が残っていました(竣工時の写真には無いですが)

f:id:massneko:20210909212647p:plain

 

検索すると文化遺産オンラインでも紹介されていました。

ハリオグラスビル 文化遺産オンライン

鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建、建築面積394㎡
ハリオテック株式会社 登録有形文化財(建造物)
北西角の角切り部に営業室玄関を設け、北及び西面に溝彫を施したコリント式大オーダーを廻す。銀行支店建築の好例で、設計は川崎貯蓄銀行建築課、施工は竹中工務店。現在は耐熱ガラス食器会社のショールームを兼ねた本社ビルとして活用されている。