聖徳太子展を開催している平成館は1階が考古展示室なので今回も立ち寄りました。
ちなみに展示室前で、法隆寺の救世観音と百済観音を8K映像で比較紹介するコーナーがありました。特別な観覧料不要ですが、とても見ごたえありました。
考古展示室では奈良県の新沢千塚126号墳から出土したゴージャスな耳飾りを再確認。
こちらは熊本県の江田船山古墳出土の耳飾り。遠目にはシンプルですが”鎖”の部分が非常の凝ったつくりです。
西都原古墳出土の子持家埴輪(重要文化財:5世紀)が出ていました。
竪穴住居とみられる主屋の周りに4つの小さな家を付す、他に類例のないもので、屋根の形態は建物前後左右で異なっています。
上記の反対側の側面を斜め上から。
短辺側から。
西都原古墳からは、眉庇付冑の埴輪も(5世紀)
こちらは、群馬県高崎市八幡原町出土と伝わる「狩猟文鏡」(重要文化財4~5世紀)
縁に沿って10人の人物がいて、9人は片手に盾を持ち、刀や剣を振りかざし、内側には4人の人物4頭の鹿、さらに壺をもつ人物がいる。
鹿がいるので狩猟文鏡と呼ばれているが、舞踊の後継をあわらしたとする説もあるそうです。
縄文時代の土偶のコーナーへも。
解説には、「土偶は作られ始めた頃から乳房があることから女性を表したと考えられています。土偶のふくらんだお腹は妊娠した姿を現すと考えられ、安産や子孫繁栄、そして豊穣を祈るための道具であるといわれています」とありましたが、自分は先日読んだ本で味方が刷新されました。
土偶と言えばの遮光器土偶(重要文化財)も。
青森県つがる市木造亀ヶ岡で出土した縄文時代晩期(紀元前1000~前400年)のもの。
本館の2階でも別の遮光器土偶が展示されていました。秋田県美郷町六郷石名館で出土した同時期のものです。
半沢直樹のロケでおなじみになった、本館の正面階段。
上記の「日本美術のとびら」(常設展示)に置かれている、高精細で復元された尾形光琳の風神雷神図屏風(制作はキヤノン)
裏の酒井抱一による夏秋草図屏風もしっかりと。
これは価格をつけるといくらになるのでしょう?
高くても買う人はいると思いますが。
大階段の反対側には夏休みの特別コーナー。自由研究向けでしょうか。
スタンプを5回重ねると写楽の浮世絵が現われるという趣向。葉書サイズです。
これそのものの提出だけでは自由研究にはならないかもですね。
東洋館の地下のミュージアムシアターで、高精細VRの映像も見ました(追加料金必要)
かつての壁画が復元された室内で近距離で拝観できること、かつては救世観音や玉虫厨子、そして伝橘夫人念持仏厨子もこの須弥壇に置かれていたのではという仮説をVRで復元してみせたりと、これも見どころたっぷりでした。
博物館自体はしっかり対策が取られていて密ではありませんので、親子でこの夏最後のお出かけ先としておすすめだと思います。