中央区明石町の聖路加病院・タワーの近くには、「タイムドーム明石」という郷土博物館とプラネタリウムを併せた施設(郷土天文館)がある。
江戸のインフラや建物、市場や歌舞伎、居留地関連などの資料展示や、日本橋生まれの作家・長谷川時雨の紹介などが見られ、入館料は100円。
これまで何度もリンクさせていただた「中央区近代建築物調査」も、このタイムドーム明石のサイト内に置かれている。
残念ながら、近代建築物についての展示は、築地ホテル館(1868年開業、着工は1867年の江戸末期)の模型のみだったが、資料販売のコーナーで下記の冊子が販売されていた。A4判・154頁で、頒布価格3,200円。
今から四半世紀前の平成2年から4年(1990~1992)にかけて、中央区の日本橋・京橋・月島地区の伝統的木造建造物を調査した貴重な記録だった。
千葉大工学部の玉井哲夫助教授(当時)を団長とする調査団が存在を確認した木造家屋の棟数は、8,208棟。
このうち22棟では実測調査・聞き取り調査も行われている。
写真や実測図、そして丁寧な解説も興味深いが、なんと日本橋・京橋・月島の各エリアの正面意匠別建物分布図(5000分の1)が、中綴じされていた。
濃いグレイは銅板張り、赤は出桁造り。
昭和初期頃に建てられて、戦災を経て残った非常に貴重な文化財ですが、最近では大きな区画でマンションに変わるスピードが速くなっているのではないでしょうか。
町並みのそこここが、更地や駐車場になっていく様子を見るのは寂しいですね。