”子どもを描いた”美術展の内覧会に参加させていただきました。
描き手の画家はボナール、ヴュィヤール、ドニ、ヴァロットンらのナビ派。ゴッホやゴーギャンの作品もあります。
上記ポスターの左はゴッホ、右はモーリス・ドニ。
高橋明也館長の挨拶を聴く機会もありました。当初は美術ブロガーのTakさん(右手)とのギャラリートークが予定されていたが昨今の事情でキャンセルに。
本展は開館10周年記念の展覧会で、高橋館長はこれまで30本以上の企画展をキュレーションされてきたが、今回がこの美術館での最後になるとのことで、気持ちのこもった企画展になっていることがご挨拶から伝わって来ました。
話を伺って、19世紀末にパリで活動した画家グループのナビ派が子どもを多く描いていたことは、西洋美術の歴史の流れの中では特殊であったことを改めて認識しました。
日本では昔から多く描かれているので(今回浮世絵の展示も有り)、子どもが描かれていることに全く違和感がないですが、西洋美術史の流れにおいてはキリストの幼子を除いて子どもが描かれることは稀であるとのこと。猫などの動物と同様に”半人前”、”魂がない”などのネガティブなイメージがあったようです。
18世紀になってその流れが変わって来て、19世紀末になって特にナビ派によって”革命的”に取り上げられるようになったとのこと。
確かに、今回の展示を見ていて、結果としてではなく興味深い対象として子どもを描いているように感じました。
掲示作品で撮影可能なフェリックス・ヴァロットンのコーナー。
さまざまなシーンで子どもが登場。
いつもの撮影用モックアップにも。
※以下の会場写真は、主催者の特別許可で撮影させていただいています。
始まりの部屋にはウジェーヌ・カリエールの悲しみを帯びた作品。
この後に展示されている元気な子供たちとは対照的でした。
112点中42点がボナール。当時撮影された写真資料もありました。
フランス、ル・カネのボナール美術館から多くの作品が来ています。
モーリス・ドニやマイヨールも。子どもの視線には思わず引き込まれます。
岩波文庫の「にんじん」の挿絵も、ヴァロットンでした。
モーリス・ドニの絶筆に近い2点。
6月7日まで開催しています。 一般1700円。
あたたかな気持ちになれる展覧会だと思います。
と、ここまで書いて、なんと3月16日まで急遽休館のお知らせが。
https://mimt.jp/blog/museum/?p=7056
スポーツ観戦だけでなく美術展もいきなり次々と、3月中旬まで休館になってしまいましたね(出雲と大和展も前倒し終了)
美術館・博物館は、企画展の中身によって混雑度合いは大きく変わるし、自分で鑑賞位置を選べるので、そこまでするのかなという感想です。
http://www.tokyoartbeat.com/tablog/entries.ja/2020/02/covid19_closed.html