墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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牛文茶臼山古墳 岡山県瀬戸内市長船町牛文

牛文茶臼山(うしぶみちゃうすやま)古墳は、前回の馬塚古墳の400mほど東側で、同じ丘陵の別の先端部分に立地する。

 

瀬戸内市立長船小学校への坂道の校門手前から戻るように登る路があった。(写真左のほうに方向札が立っている)

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路は途中から、セイタカアワダチソウ畑の状態。

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グーグルマップに記していたポイントは斜面の上。

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草むらの中に道筋が?

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それは実は側溝で、足をくじきそうになり、心もくじけそうになった。

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なんとか最初の段の上へ。地面にはクリのイガイガがあることに気づかず、手をついてしまい痛かった。

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そのあたりから北方向。たまたま写った中央奥の緑は直径14mの円墳(小茶臼山古墳)だったようだ。

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さらに一段、草むら斜面を上る。

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その上にもセイタカアワダチソウが広がり、奥に丘があるが道はなかった。余裕がなくなって写真がブレる。

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引き返そうと思ったら、ズームで説明板が。

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腰で草をかきわけて説明板前へ。

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長船町指定史跡「牛文茶臼山古墳」
平成3年4月1日指定
長船平野の南東部、桂山の北側山麓の北東に延びる尾根の頂部、標高約32m地点に築かれている。北東ー南西に軸を置き、前方部が南西方向(山側)を向いた帆立貝形古墳である。墳頂約48.0m(後円部径約33.2m、前方部長さ約14.8m)である。後円部は二段築成になっている。
竪穴式石室と思われる石室からは、金銅製獅噛文(獣面文)帯金具、四神四獣鏡、鉄刀、須恵器などが出土している。時期は5世紀末頃と推定される。
なお、この古墳の約4m離れた地点に存在する径約14mの円墳は陪塚と考えられる。双方の古墳とも墳丘から埴輪片を採集している。
長船町教育委員会

 

帆立貝形の前方後円墳で、説明板の後ろにテラスが。

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瀬戸内市のサイトの実測図がある。

http://www.city.setouchi.lg.jp/kurashi/kankorekishi/rekishi/jyuyobunkazai/shisekikoukou/shijyuyo/1418102256875.html

 

結構傾斜がきついので、回り込んでその上へ。

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段の上から振り返って。

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後円部も急斜面。

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南側にルートがあったので、上がらせていただいた。

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墳頂は火口のように中央が陥没していた。手前は石仏。

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陥没孔の中央には、石室材のような石が頭を出しているように見えた。(写真だけで)

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調べていたら東博のサイトに出土した「小鈴付獅噛文帯金具」の画像があった。

2017年に考古展示室にて開催された「帯金具の輝き」の展示物として。残念ながら当展は見逃してしまっていた。

https://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=5308 

 

墳頂からの眺め。

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道路に戻って朝露で濡れたズボンを見てみたら草の種がひっついていて、両足取るのに10分くらいかかりました。

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後日、上野の東博へ行った際に実物を見ることができました。

最近まで岩橋千塚からの出土品を展示していたコーナーに!(左は前橋の金冠塚古墳出土の金銅製冠)

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もとはベルト状につながっていた幅2~3cmほどの帯金具が、鈴とともに展示。

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その説明文。

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小鈴付獅噛文帯金具
岡山県瀬戸内市 牛文茶臼山古墳出土
古墳時代・5~6世紀 
小野田小四郎氏・高原宇多治氏寄贈

獅子がかっと目を見開き、歯をむき出した文様を獅噛文(しがみもん)と呼びます。環頭大刀のモチーフにも採用され、魔除けの意味を持ちます。本品は、長方形の銅板に獅噛文を打ち出し、金銅の鈴で音が鳴るように飾られた帯金具です。所持した豪族の大陸との交流を裏付けています。

 

鈴は音がしそうなものも。

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片方の目は光を残す獅子の顔。

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こちらは口をすぼめた人間風だった。

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あの古墳に、これを実際に身に着けて埋葬された人がいたのだと思うと感慨深かった。