墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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こうもり塚古墳 岡山県総社市上林

前回のつづき、そろそろこの日の終盤です。

こうもり塚古墳は、おそらく見学しやすいであろうと思い、日没前ぎりぎりの到着に設定していました。

吉備風土記の丘 県営北駐車場に車を停めて歩き始めます。

途中にあった周辺マップ。

今これを見ていて、下の方に「総社市埋蔵文化財学習の館」 があったことに気づきました。次の機会に訪ねたいと思います。

 

そのすぐ先にあった標識。こうもり塚まで300m。

 

示す方向には墳丘らしき木立がありました。

 

突き当りを右に、そして一段上がったところに大きく開口していました。

 

ここも、大きな石が組まれています。

 

階段を降りて羨道を進みます。

 

羨道の石組みからも”圧”が感じられる。

 

大きなまぐさ石の下に施錠された扉が。

 

扉越しの石棺。

 

フラッシュで。

 

側壁の石がでかい。

 

向かって左の側壁。少し赤い色が残っている?

 

反対側。

 

石棺の割れ口にコインが。

 

振り返っての開口部。

 

フラッシュで。

 

フラッシュ無しの方が、石の”表情”が感じられますね。

 

外へ出て振り返って。

 

敷地内にあった解説板。 

国指定史跡 こうもり塚古墳
所在地:岡山県総社市上林
指定年月日:昭和43年(1968)2月15日
こうもり塚古墳は、全長約100m、後円部径55~60m、同高8m、前方部の長さ約60mの前方後円墳です。これまで葺石や埴輪は見つかっていません。
後円部には、南南西に開口する全長19.4mを測る岡山県内最大の横穴式石室があります。石室は玄室と通路にあたる羨道からなり、玄室長7.7m、幅3.6m、高さ3.6m、羨道の長さは11.7mあります。
玄室内には、浪形石(なみがたいし:岡山県井原市産出の貝殻石灰岩)製のくり抜き式の家形石棺が置かれています。この石棺以外にも陶棺(焼き物の棺)や、木棺に使用した鉄釘が見つかったことから、複数の埋葬があったことがわかりました。また、石室内からは金銅装単鳳環頭大刀の柄頭や鉄鏃、馬具、耳環・玉類などの装飾品、須恵器など多様な副葬品が出土しています。
石室や石棺の形態、出土した須恵器の特徴から、こうもり塚古墳が築かれたのは6世紀後半と考えられます。6世紀における吉備地域最大の前方後円墳であること、巨大な石室、豊かな副葬品から、こうもり塚古墳の被葬者は、この時期の吉備地域で最も有力な豪族だったと推測されます。
平成27年9月 岡山県教育委員会

Nationally Designated Historic Site Komorizuka Burial Mound
The Komorizuka Burial Mound is a keyhoe shaped tomb with a total length of approximately 100 metres. The largest horizontal stone chamber in Okayama Prefecture is located in the rounded portion of the tomb, measuring a total length fo 19.4 metres with its entrance opening to the south-southwest. A house shaped stone coffin lies within the stone chamber. From the ceramic coffin and iron nails used in wooden coffins which were discovered in addition to the stone sarcophagus, it is understood that multiple burials have been carried out. Furthermore, a variety of tomb furnishings, including weapons, horse harnesses, decorative ornaments, and Sue ware (unglazed pottery), have also been unearthed.
The Komorizuka Burial Mound is thought to have been constructed in the latter half of the 6th century. From its status as the largest 6th century keyhole shaped tomb in the Kibi region, its enormous stone chamber, and its wealth of the tomb furnishings, those interred in the Koorizuka Burial Mound are speculated to be members of the Kibi region's most powerful family of the time.

 

  実測図部分。

 

石室図部分。

 

南側から見た後円部。 

 

後円部裾に沿って回って行きます。

 

後円部南裾から南東方向の眺め。

 

くびれ部から墳頂へ上がらせていただきます。

 

後円部側はシートで覆われていました。

 

くびれ部から前方部。石室だけでなく、墳丘全長も約100mあって立派です。

 

先端に向かってすこし反り上がって残る前方部。

 

前方部先端側から後円部方向。

 

前方部端から先。

 

墳丘の北西側には溜池があった。

 

墳裾の小径をぐるりと進む。

 

奥が後円部、左へ前方部。墳頂からでも墳裾からでも、前方後円墳の墳形を味わうポイントは、くびれ部にあると思います。

 

南南西(墳丘の後円部先端)の側から見た、こうもり塚墳丘。

 

そこから西に300mにある、備中国分寺へ向かいました。福山を遠望しながら。

 

こうもり塚の玄室は年に一度、ゴールデンウィーク期間中の「吉備路れんげまつり」の一環で公開されています。(総社市と岡山県の教育委員会に問い合わせてみましたが、それ以外は公開されていないとのことでした)

http://www.pref.okayama.jp/site/12/608978.html

いつか、その時期に再訪したいと思います。