備中国分寺の北側に広がる丘陵は、見事な横穴式石室が数多く築かれた一大古墳地帯でした。今回、地元岡山のコフニスト・かまどねこさんが丁寧に丹念に作成された古墳マップ「つわものどもの夢の舞台へ~吉備古墳の栄華を掘り起こす旅」を頼りに、そのほんの一部を訪ね、造山・作山古墳だけでない、吉備の古墳の奥深さに触れることができました。感謝です。
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訪ねたのは緑山古墳群の一部。近辺をグーグルマップで「古墳」と検索すると、そのひとつにピンも立ちました。
著名な横穴式石室を持つ、こうもり塚古墳、江崎古墳、そしてかまどねこさんが再発見した鳶尾塚古墳と当古墳を線で結ぶと、星座のような十字形(ただの四角形とも言えます)が立ち上がります。
マップのポイントのすぐ南東の分岐のスペースに車を停めさせていただいて探訪スタート。
上記の背面(北側)、道路わきに石仏が。
その後ろの階段を上がります。
そのまま道なりに進むと墓地(右)ですが、その手前を左に入ります。
すぐに緑山古墳4号墳の開口部が現れました。
下半身からずりずりと入りました。
途中で体制を立て直して、持参した懐中電灯で奥壁を。
フラッシュで。
立ち上がっての一枚。
前出のマップ(ダウンロードした資料)によれば、4号墳は墳丘径24m・石室全長10.8m・玄室長6.1m・玄室幅2.3m・玄室高は3.2mになる。
向かって左の側壁。
反対(向かって右)側。5~6個の石を積んでいる。
奥壁前から開口部。
フラッシュで。
縦位置で。
奥壁側から天井を。
羨道部から。
外に出て、道なりに進んでいくと次は6号墳。
まぐさ石の先の天井石が抜けている。
ので、室内が明るい。
6号墳は墳丘径15m・石室全長6.2m・玄室長3.7m・玄室幅2.5m・玄室高 2.2m 。
奥壁をフラッシュで。石積みは7段。赤色が残るものもあった。
奥壁前から振り返って。
外へ出てさらに進み、竹藪になってきたところで7号墳。
開口部は膝高以下で、匍匐前進の必要があった。
懐中電灯は必携。
フラッシュで。4,6号墳よりも緻密に組み合わされている感じ。
奥壁前から開口部側。片袖の袖の部分も石組みで。
7号墳は墳丘径26m・石室全長11.2m・玄室長5.4m・玄室幅2.6m・玄室高2.8m。
持ち送りで側壁が内側に傾くが、しっかり組まれていて怖くはない。
ノーフラッシュで。
塞がれてしまったら怖いが。
フラッシュで。
狭さを表そうとして手を入れてみたが、距離感が出ずにいまいちとなった。
このルートでは最後の”大物”の8号墳も竹藪の中に。
道なりに進むと開口部が。
匍匐の必要はないが、四つん這いで入室させていただく。
玄室までが”遠い”
懐中電灯で様子を確認しながら。
玄室に入って、その大きさに圧倒された。
8号墳は墳丘径33m・石室全長15.1m・玄室長7.0m・玄室幅2.9m・玄室高4.1m。
室内高は、周囲の巨石古墳も含めて最も高い。(下記データは前出の、かまどねこさんの資料から。①石室全長 ②玄室長 ③玄室幅 ④玄室高
緑山4号墳 ①10.8m ②6.1m ③2.3m ④3.2m
緑山6号墳 ①6.2m ②3.7m ③2.5m ④2.2m
緑山7号墳 ①11.2m ②5.4m ③2.6m ④2.8m
緑山8号墳 ①15.1m ②7.0m ③2.9m ④4.1m
鳶尾塚 ①12.5m ②6.7m ③2.4m ④2.8m
こうもり塚 ①19.4m ②7.7m ③3.6m ④3.6m
江崎古墳 ①13.8m ②6.6m ③2.6m ④2.9m
奥壁は、巨石を基礎に3段ほど。
奥壁から羨道方向。こうもりが4羽。
ノーフラッシュで。
懐中電灯で。
フラッシュで。
天井石と、まぐさ石を。こうもりは一羽移動。
光に向かって外の世界へ戻る。
帰路は墓地を経由したが、そこには大きな岩が。
削り出した跡も。かつてはこの墓地に5号墳があったようだ。