墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

小樽和光荘、旧青山別邸(にしん御殿 小樽貴賓館) 北海道小樽市潮見台・祝津

休館日の小樽総合博物館を目の前にして途方に暮れかけた時、事前に何かで見てマップに記していた洋館があったことを思い出した。

 

南小樽駅よりもさらに南の丘の上なので、タクシーを利用。

小樽潮陵高校の裏の丘からアプローチ。最後の枝道の入り口で、ちょっと迷い気味な運転手さんに一抹の不安を感じたが、降りた場所から徒歩の橋を渡っていくと建物正面に出た。

 

堂々たる4階建て。

 

小樽市のプレートも。

小樽 和光荘
建築年:大正11年(1922)
構造:木造4階建、一部コンクリート
天皇・皇后両陛下が昭和29年(1954)8月にご来道のおり、小樽での宿所となった由緒ある建物です。1階をロッジャ風に仕上げ、ここのアーチが上部の木造3階建部分を支えている。3階に突き出した洋室、白く塗られた手すりや窓の繊細な木組が、周囲の緑とおりなすコントラストが美しく、大正期らしいロマンチックな洋館です。
この建物は「北の誉酒造」の創始者、野口家の二代目 野口喜一郎氏が設計し、建築家の佐立忠雄氏の助言を取り入れて建築されました。

 

佐立忠雄は旧日本郵船小樽支店を設計した佐立七次郎の息子。

 

野口家の故郷・金沢の職人や、京都から呼び寄せた宮大工の手により、7年の歳月が費やされたそうだ。

 

重厚な石壁の前に丸い池がある。

 

2~4階を見上げて。

 

2階の玄関へのアプローチ。

 

グーグルマップ上の情報には「営業中」と出ていたが、玄関扉は固く閉まっていた。

その情報には電話番号もあったのでかけてみると、窓の向こうの電話が鳴り響く音が聞こえた。

 

誰もいなかった。この日2度目の空振り…

 

玄関前の通路・バルコニーの床にはモザイクタイルが。

 

その先に日本庭園が見えたので、ちょっと覗かせていただいた。

 

飛び石を伝っていくと、見事なお座敷が見えてきた。

 

斜面に建つので庭園は2階に面している。奥の斜面には2階建て(3・4階)の別館がつながる。

 

公式サイトには平面図が掲載されている。

http://www.otaru-wakousou.com/mansion

 

円形のサンルームは公式サイトに写真があるが、とても魅力的。

http://www.otaru-wakousou.com/tour

 

しっかりしたサイトで料金表もあるが、よく見ると見学期間は2018年分しか表示されていない。

ちょっと検索しても現在見学不可との情報は見当たらず。公式サイトは直されたほうがよいと思います。

 

洋館建物側面はツタで覆われていた。

 

西側に細道を下ってみると私道に出た。そこから振り返って。奥の屋根が和光荘。

 

その後、坂下の国道(393号)に出ると、タクシーを拾うことができた。 

今度の運転手さんには、和光荘が閉館になっていることはタクシーの運転手だったら皆知っているはずと言われたが…

 

まだ時間に余裕があったが小樽駅から帰ろうかと思っていたところ、今度の運転手さんに「にしん御殿(青山別邸)」へ行くことを勧められた。場所は小樽市総合博物館へ戻ってさらに北になる。

 

ルート的に効率が悪かったと思いつつ、せっかくなので行ってみることに。

小樽市総合博物館の正面入口の脇を通過して。 

 

トンネルを抜けて祝津(しゅくづ)地区に入り、枝道へ曲がる直前で。

奥に赤白ツートンの日和山灯台、その手前に小樽市鰊御殿(旧田中福松邸・網元の番屋~積丹半島西岸の泊村から移築)の赤い屋根が見えている。

 

枝道を入っていくと立派な門があった。

 

明治・大正期、ニシン漁で巨万の富を築いた三代網元(青山家、茨木家、白鳥家)のひとつ青山家の2代目政吉が娘夫婦の民治・政恵とともに大正6年から6年半の歳月をかけて築いた豪邸で、総工費は現在価値で約30億円にもなるとのこと。

娘の政恵は17歳のときに山形県酒田市の本間家邸宅に何度も招かれていて、父政吉が別荘の建築にとりかかった時に、本間邸以上のものをこの祝津に建てると決心したのだそう。

 

酒田の本間家は、旧別荘の方は昨冬訪ねた。

 

入館料は一般1080円。 室内は撮影不可。

公式サイトに記された「北海道屈指の美術豪邸」は言葉どおりに思われた。

意匠も造りも材も調度品も、それぞれ贅が極められている。

ヒノキ、けやき、紫檀、黒檀、神代杉、屋久杉など、部屋ごとに主役に木材が変わり、障子や屏風、掛け軸の絵や書も一級品。

 

玄関は二ヶ所。右が客用大玄関で、上がってすぐに洋室がある。 

 

「客用ではない玄関」も立派な造り。

 

主屋を側面から。

 

公式サイトの平面図。建坪は190坪、6畳~15畳の部屋が計18もある。

http://www.otaru-kihinkan.jp/aoyama_about/aoyama_highlights/

 

枯山水の庭園を、塀越しに。 

 

敷地内には4階建ての新しい施設(小樽貴賓館)が建っていて、にしん蕎麦などを食すことができる。もちろんいただきました。

 

1階ホールの天井画は138枚。北海道ゆかりの日本画家、学生達が描いたのだそう。

 

8月初めだが、まだアジサイが見ごろだった。

以上で、小樽滞在終了。

住んでみたくなる街でした(冬は厳しいでしょうが)

 

小樽から新千歳空港へはJR快速エアポートで乗り換えなしの72分。 指定席で快適に。JALは2020仕様だった。

 

着陸直前の浦安沖。

2019年夏の北海道旅、完。