墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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外務省外交史料館 東京都港区麻布台

外務省外交史料館はロシア大使館や麻布郵便局(旧逓信省本庁舎)などが並び立つ麻布台にある。

常に賑わう六本木の交差点から外苑東通りを南西に600mほどだが、飯倉片町の交差点を境に街の雰囲気が変わる。

開いている門から中に入ると、そこは特定歴史公文書を申請して閲覧する建物で、一般展示があるのは別館の方だった。

 

上記の門内から見た飯倉公館。首脳会談や外相会談などにも使われるそうだ。

竣工は1971年で設計は吉田五十八(よしだいそや:1894~1974)

吉田五十八 - Wikipediaによれば、数寄屋建築を独自に近代化した建築家で、東京美術学校(東京芸術大学)卒業。母校で教壇にも立っている。

手がけた作品は数多く、五島美術館や大和文華館などが現存するが、画家の邸宅が多い印象。

 

一般展示のある別館(外務省外交史料と館)はこちらの門を開けて入る。ちょっとものものしい感じ。

 

開館は平日のみ(年末年始は休館で臨時休館日もあり)で10時~17時半。入館無料。

 

こちらの建物の2階が、幕末の開国以来の外交史料を展示する外交史料館。

 

2016年12月27日まで、所蔵する幕末期の外交文書集「通信全覧」「続通信全覧」が重要文化財に指定されたことを記念した特別展示「幕末へのいざない」を開催中。

特別展示「幕末へのいざない」 | 外務省

前期の「黒船・開国・激動の幕末」は終了、現在は後期「西洋との出会い~幕末うぉーく~」で「西洋文明との接触や幕末の外国公使館に関する史料」を展示中。

 

建物1階には吉田茂の大きな胸像がある。この別館は昭和63年(1988)に吉田茂記念事業財団より寄贈されている。

 

所蔵する史料は、幕末から第二次大戦終結までに締結された修好・通商・政治・経済などの条約書約 600 件や、幕末以降戦前期の国書・親書(国家元首間にやりとりされた書簡)約 1,100 通。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/shiryo/pdfs/leaflet201204.pdf

 

展示はその一部で展示室は一部屋だが、日本の近代史を形成してきた一級資料ばかり(ほとんどがレプリカだが精巧につくられている) 吉田茂関係史料もある。

 

日米和親条約(嘉永7年:1854)の批准書。

日本側の原本は幕末の江戸城火災で焼失したが、アメリカ国立公文書館が所蔵する原本のレプリカ。

 

日米修好通商条約(安政5年:1858)、原本は重要文化財。

 

この他、日清修好条規、日露講和条約などの二国間条約、ヴェルサイユ講和条約などの多数国間条約が、親書では文久元年(1861)ハリス公使帰国につきアメリカ大統領リンカーンから徳川14代将軍家茂にあてた親書や、文久3年(1863)ロッシュ公使の新任に際しフランス皇帝ナポレオン3世から家茂にあてた親書などが展示されている。

 

こちらは明治17年(1884)の天長節(天皇誕生日)晩餐会メニュー。

 

近代の歴史がリアルに感じられました。