森美術館で開催中の「宇宙と芸術展」に行きました。
美術館入口の「はやぶさ」の模型(1/2サイズ)
初めの部屋は「人は宇宙をどう見てきたか」がテーマで、曼荼羅や十二天図、竹取物語絵巻、ダヴィンチやガリレオの手稿、天球技や観測機器など、美術作品や資料がある。
キトラ古墳の石室天井に描かれている天文図(国営飛鳥歴史公園)の精巧なレプリカ(大塚オーミ窯業製)は素晴らしかった。2年前に上野で見た展示にもあったが、今回はじっくり見ることができた。キトラ古墳壁画(@上野) - 墳丘からの眺め
次の間は「宇宙という時空間」がテーマで、現代作家の作品が並ぶ。このあたりから撮影可のものがでてくる。
ビョーン・ダーレムによる「ブラックホール(M-領域)プラネタリー・ツリー」
この部屋の作品はいつもじっくり見てしまう。
コンラッド・ショウクロスによる「タイムピース」
軸の先にも回転軸があってさまざまに形を変える、「日時計と太陽の関係の中で体験される崇高な天文学的時間を表現した大型の動く作品」
壁に映る影を見ていても面白かった。
森万里子(1967~)による「エキロビティック・ストリングⅡ」
宇宙構造の”超弦理論”からインスピレーションを得ているとのこと。
次のセクションのテーマは「新しい生命観ー宇宙人はいるのか?」
こちらは江戸後期に描かれた「UFO」
1803年に常陸国の海岸に”うつろ舟” が漂着し、見知らぬ文字が書かれた内部には美しい女がひとり乗っていた、というニュース。
万寿堂による『小笠原越中守知行所着舟』(「漂流記集」より)
それにインスパイアされたローラン・グラッソの作品。
同作家による「縄文時代の司祭」
仮面のビーナスの顔が大きくなってインパクト大。
パトリシア・ピッチニーニによる「ザ・ルーキー」
ファイバーグラス・シリコン・毛による立体作品だが生きているようだった。
カワイイといえばそうかも知れないが、エイリアン4を思い起こした。
空山 基による「セクシーロボット」、2016年作の等身大立体。
最後のセクションは「宇宙旅行と人間の未来」がテーマ。
トム・サックス「ザ・クローラー」は木などを素材としたシャトル発射台模型。
HAKUTO JAPANによる月面ローバー。グーグル主催の月面レースに出場予定。
フォスター+パートナーズによる月面住居建築の動画。
最初に空気ドームを膨らませ、周囲を3Dプリンタで作った網目状の構造体で囲み、そこに月表面の塵を積み重ねて覆っていくというものだった。
フォスター+パートナーズ展 都市と建築のイノベーション にも模型はあった。
圧巻だったのは、チーム・ラボによる「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space」
天井に設置された20台ほどのプロジェクターが連動し、部屋中に動画を映し出す。
「動画の撮影もOK」で、積極的拡散が推奨されていました。
↓(始まりを撮っていないのでカラスには見えません)
上映中に歩くとふらつくので注意。
鑑賞者の位置によって映像自体が変化することを、かるびさんのエントリを読み直して後から認識しました。
宇宙というテーマで、古代から現代そして未来に続く作品を楽しめる奥深い展覧会だと思います。
個人的にはインターステラーなどの映画に関する展示もあったらなあとも感じましたが、そうなると他の映画やアニメや小説やらで収拾つかなくなりますね。映画(DVD)「インターステラー(INTERSTELLAR)」 - 墳丘からの眺め
会期は2017年1月9日までですが、比較的空いている今の時期にぜひ。
入館料は1600円。「ぐるっとぱす」は200円引きになります。