5月15日の日曜日、昼前まで少し時間があったので東京駅の美術館へ出かけた。
6月19日まで開催中の「川端康成コレクション 伝統とモダニズム」展。
(10時~18時・金曜~20時 一般1000円)
東京ステーションギャラリー - TOKYO STATION GALLERY -
展示室に入ってすぐに古賀春江や東山魁夷などの作品があり、フロアを変わると自分にとっての"お目当て”のひとつ、埴輪があった。
埴輪「乙女頭部」は川端康成のコメントによれば、最も美しい埴輪女子の一つ。確かにいかにも埴輪らしい抽象化があるが、眉のあたりのかすかな膨らみやすっと通った鼻筋、量塊としての頭の形などが美しく、隣に展示されていたリアルなガンダーラ系仏像頭部と並び立つようなオーラが感じられた。
3年前に下記の展示でみた仁徳天皇陵出土の埴輪女子に似ているように思われた(仁徳陵の方は鼻の下が少し長い)
さらに進むと”目玉”の国宝・十便十宜図(池大雅と与謝蕪村の競作)などが見られる。
もうひとつの”目玉”である国宝・凍雲篩雪(とううんしせつ)図(浦上玉堂画)は展示期間を終わっていたが精密なレプリカが展示されていて楽しめた。
また美術コレクションではないが、学生時代の川端康成が恋をした伊藤初枝からの手紙、さらに康成が出さなかった切々とした手紙の現物が展示されていて非常に興味深かった。
展示室内は撮影不可だが、確認したら階段室などそれ以外の部屋の煉瓦壁は「可」とのことだった。
内側なので漆喰がはみ出ているがカーブを描く苦労が伝わってきた。
かつては上から漆喰を塗っていたのだろうか。各煉瓦の中央部に削ったような跡があった。
最後の部屋の見事な壁。 「上敷免」の印を探してみようかとも思ったが、ちょっと見ただけでは難しそうだったのでやめた。
おまけ
東京駅構内で煉瓦壁が見られる場所(中央線ホームの下あたり)
昼で真上から光が射していたので凹凸がよくわかった。
こちらの円筒は何かと思って近づくと…
「伊号潜水艦の潜望鏡」を再利用した柱だったとのこと。
2006年まで東京ステーションホテルの南ウイングにあった。