前回第1弾のやまと絵の四季に引き続き第2弾の名品展に行った。
出光美術館は平日も18時まで開館(入館は17時半まで)しており、有楽町や日比谷の駅から近いので、フラッと立ち寄るには便利。
(通常金曜日は閉館時間を19時まで延長するが、本展にはそれがない)
開館50周年を記念した出光コレクションの特別展。下記の特設サイトでは公開中の国宝・伴大納言絵巻などを大きめの画像で見ることができる。
6月12日までの展示テーマは水墨画と文人画。
宋末元初の画僧、牧谿(もっけい)による「平沙落雁図」や玉澗(ぎょくかん)による「山市晴嵐図」はどちらも重要文化財で旧足利将軍家のコレクション。
霞の中で光あふれる雄大な風景を墨の濃淡だけで表している画面は、サイズ的には小さめだが思わず中に引き込まれてしまう。
全く歴史的には関連しないだろうが、ターナーの絵のような雰囲気も感じた。
それら中国画僧の絵に学び、独自の境地を創造した雪舟や能阿弥、長谷川等伯の絵を同じ展示室で見ることができる。
室町時代に日本に伝わり江戸中期以降に盛んになった文人画(南画)のコレクションも”出光コレクションの柱の一つ”とのことで昨年夏の田能村竹田展も見ごたえがあったが、展示室で圧倒的な存在感を示しているように感じられたのは池大雅(いけのたいが:1723~1776)による十二ヵ月離合山水図屏風(1769年頃・重要文化財)
六曲一双の屏風12面に、右から12ヶ月の風景が連続しながら移ろっていく。
絵の前にベンチが欲しい作品。
そして3期を通して目玉となる国宝・伴大納言絵巻(10年ぶりの公開)は、現在中巻を展示中。
応天門炎上事件の後に、伴大納言の家来の子供と舎人の子供が喧嘩して、前者の親が出てきて後者の子を足蹴にしたら、後者の親は炎上事件は伴大納言側の放火であることを暴露する、という場面が非常に活き活きと「異時同図法」で描かれる。
なお今なら、平日閉館間際であれば列にならずにじっくり見られる可能性が高い(?)と思います。
なお、主要作品は公式サイトでも詳しい解説を読むことができます(6/12までの展示は下記の水墨画、文人画の項)