前回のつづき。
日本橋を渡って三越日本橋店の前を通って三井本館へ。
建物南側の道を歩いただけなので、俯瞰写真がありません・・・
大正16年(1926)3月に着工し、昭和4年(1929)6月に竣工。 建物内では三井住友信託銀行東京中央支店と三井住友銀行日本橋支店等が営業中。
三井記念美術館もこの中にある(入口は隣の新しいビルにあるが)
いただいたパンフによると、ここには元禄7年(1694)に三井の江戸両替店が南隣から移り、明治7年(1874)5月に駿河町為替御用所・通称「為替バンク三井組」となり、明治35年(1902)には旧三井本館が建ったが、関東大震災で被災して躯体だけ残っていた建物を解体し現在の本館に建て代わった。
当時の三井合名会社社長・三井八郎右衛門高棟が、2倍の震災に耐えるものという理想を掲げ、理事長團琢磨による、「壮麗」「品位」「簡素」という3つの理想のもとに建設された。
当時の最高水準の設計・施工技術をアメリカに求め、設計はトローブリッジ&リヴィングストン事務所、施工はジェームズ・スチュアート社による。
総工費は2,131万円で、今の約1000億円。
建設までの経緯などはこちらも詳しい。
建物の詳細についてはこちらに詳しい。
上記によれば重文指定において下記の「意匠」と「歴史」で高評価となった。
・意匠的評価ポイント
外壁を貫いてそびえるコリント式の列柱や1階の銀行・信託銀行の営業室のインテリアは、團琢磨のデザインポリシーをよく示すもので、建築作品としてみた場合に極めて優れている。
・歴史的評価ポイント
アメリカの技術を導入して建設された初期のオフィスビルディングとして、我が国の昭和初期を代表する建築物で現存する最古のアメリカンタイプのオフィスビル。
コンリト式柱頭を飾る植物はアカンサス。生命力を象徴する植物。
明治生命館(設計:岡田信一郎、5年後の昭和9年竣工)の列柱もコリント式だが、柱の基壇が2階からになる。
三菱一号館・明治生命館 (外観のみ) 東京都千代田区丸の内 - 墳丘からの眺め
こちらの基壇は手で触れる位置にあり、柱の数も多い。
西側の角は平面柱のような処理になっていた。
外観だけだったが、大理石を多用した豪華な内装も見てみたい。
つづく。