前回のつづき。
「森の学校キョロロ」にて、2015年の大地の芸術祭巡りを終え、予約していた松之山温泉・凌雲閣(りょううんかく)へ向かった。
松之山温泉街とは若干離れた、県道80号沿いの斜面に建つ木造三階建て。
宿泊棟の本館建物は国指定有形文化財。昭和13年の築造。
公式サイトによれば、群馬県渋川から呼び寄せた宮大工に一人一室ずつ担当させて腕を競い合わせたので、14室すべての部屋がそれぞれ趣向を凝らした造りになっているとのこと。
風呂や食事はコンクリート造りの新館になるが客室棟は情緒たっぷり。
廊下を歩くときしむ音がしたが中央部分は太い板が使われていた。
エレベータもあるが大きな階段が魅力的だった。階段手すりだけでなく、窓枠や天井など隅々に凝った意匠が見られた。
小さいほうの湯船。透明な湯だが、なぜかちょっとしょっぱい。一日交替で男湯女湯が入れ替わるが、もう一方の風呂がかなり広くて露天もあったが、いつも人がいて写せなかった。
当館の温泉「鏡の湯」や松之山温泉街の源泉「鷹の湯」は近辺に火山の無い山間地にあるにもかかわらず、塩分濃度、泉温が共に高い温泉です。
その理由は推定1,200万年前の古代の海水が地殻変動により、地中へ閉じ込められ、更に深い地中にあるマグマによって温められ、一気に噴出しているためと考えられています。
このような温泉を「ジオプレッシャー型温泉」と呼びますが、日本では珍しいタイプの温泉です。
「鏡の湯」は太古の海水と、地球から私たちへ届けられた贈り物とも言えるかもしれません。
なぜか公式サイトがもう一つあった。こちらには「16室」との表記。
夕食は新館で懐石料理をいただいた。おいしゅうございました。
時間が前後するが、松之山温泉街へ行く途中にカーナビに「松之山の大ケヤキ」という記号が出たので立ち寄った。
大木を探すが見当たらない。歩いていると「松芋社大欅」の石柱があった。
御神木に会えることを期待して石段を上る。
境内にあったのは「跡地」だった。円墳跡のように大きかった。
国指定の天然記念物だったが、平成8年(1996)に倒壊した。
推定樹齢2000年(!)で平安時代に坂上田村麻呂が愛馬をつないだと伝わる。
カーナビも古くなってきた。
お堂の柱は冬の雪囲い用か。
軒下に、かつての勇姿を伝える写真があった。
8/28(金)の朝。風呂上りに外に出たら秋の雲が広がっていた。
凌雲閣の裏手から散策コースがあった。
思わず歩きたくなるのぼり坂だったが、フェリーの時間があったので早めに朝食会場へ向かった。
新館の朝食会場からの大きな窓から。
向かいの田の上で、何かが沢山キラキラ光りながらゆっくりを舞っていた。カゲロウだったようだ。
つづく。