前回のつづき。
明治丸と隣り合う「百年記念資料館」は昭和50年の開校100年で建てられた。
以下は大学のサイトから。
東京海洋大学明治丸海事ミュージアムを構成する百周年記念資料館(昭和53年開館)は、本学が明治8年11月1日に隅田川の永代橋下流に係留した成妙丸を校船と定めて開学してから、昭和50年で100周年となったことを記念し、その中心事業として建設されたものです。この資料館は一般によく見られる海事資料館とは異なり、本学100年の歴史を軸とした商船教育史とその周辺の海事史を物語る資料を収集しています。 学校制度の変遷を示す教科書や図書・文献・写真・絵画などの資料、歴代練習船に関する機械・器具・遺品・写真・絵画などのほか一般海事に関する図書・文献・図誌などを類型別に展示しています。
まずは2階の展示から。船の模型や操船機器類の実物があった。下記の写真は一部。
帆船の練習船、大成丸関連の展示。
下記に貴重な写真が掲載されている。
写真でみる練習船の歴史 初代大成丸 | 独立行政法人 航海訓練所
今も動きそうな「電波航法器機」
SPERRYのロゴ。中身がどうなっているのか気になった。
イギリス帆船の船首に付けられていたフィギュアヘッド。
1階はエンジン類が主体の展示だったが、展示ケースが面白いパナマ運河模型もあった。
少し前に日野オートプラザで飛行機のエンジンに魅入ったが、船のエンジンは重量感があって、頑丈であり、大パワーが感じられる。
SULZERのロゴがあるディーゼルエンジン。
こちらは舵。複雑に組み合った歯車が迫力。
「株式会社油谷機械工作所製・大阪市此花区吉野町」の銘板があった。
明治丸の船尾でも見たが、展示模型(三島丸)にも上記のような機器が収められた木箱があった。
こちらはタービンエンジン。タービンとは流体がもっているエネルギーを有用な機械的動力に変換する回転式の原動機の総称で、「ピストン運動をクランクシャフトで回転運動に変換するタイプの流体機械とは異なり、流体の運動を直接的に回転運動に変換する回転機」なのだそうだ。
米国ブラウン・カーチス社のタービン。
子どもがよろこんだ「機構学模型」のコーナー
機械を造るにあたって、直線運動を回転運動にしたり、重いものを軽い力で持ち上げたりするために歯車やレバーやテコなどを応用するが、そのような機械構造カラクリの原理を勉強するための模型
しっかり手入れされていてスムーズに動く。予想外の動きをするものもあってとても面白かった。
そういえば昔はこのような歯車のある人力のミシンが家にあった。
百年記念資料館を出てから、キャンパスを歩いていると、別棟で巨大な「垂直循環型流水槽」の展示が見られた。
全長12m以上、高さ5m以上ある。
階段を登ると上部では模型を使った実験が行われていた。流れの観察や流体力学の計測を行う施設だった。
わざわざ縦回転させるのは横回転だと遠心力が左右方向にかかってしまうからなのだろう。
キャンパス内の桜並木。
こちらは豊洲運河に面した係船池(ポンド)
事前予約による体験乗船が行われていた。
きれいな空色(ここでは海色か)のクレーンがあった。