会社の帰りに立ち寄った。大型企画展のない端境期なので、館全体は空いていて気持ちが良い。
実は乃木坂のギャラリー間(TOTOギャラリー)の丹下健三展を見ようと思ったら閉まっていた(金曜も18時まで)ことによる第2プランだったが、魅力的な作品に出会えた。
サブタイトルは未来を担う美術家たち、文化庁芸術家在外研修の成果。観覧料一般1000円。
以下はパンフレットより一部を転載。
文化庁は、将来の我が国の芸術界を支える芸術家を支援するため、若手芸術家を海外に派遣し、その専門とする分野について研修の機会を提供する、「芸術家在外研修(新進芸術家海外研修制度)を昭和42年度から実施し、美術部門での派遣者は1000人を超えています。
その研修の成果発表である本展は過去16回を数え、絵画・彫刻・写真・インスタレーション・アニメーション・工芸・建築などさまざまなジャンルから活躍中の作家を選出し、その時々の日本の美術のあり様を提示してきました。
17回を迎える今展では、「造形の密度と純度」というテーマのもとに、造形的に非常に繊細で密度の濃い作品を制作し、それによって表現の純度を高めている新進作家12名に焦点をあてるとともに、今回初めて「保存・修復」の分野での研究者3名の発表のばも設けます。
写真撮影可の作品から、いくつか紹介。
・小林俊哉「取り返しのつかないことを取り返すために~木蓮~」
壁一面の木蓮の花。紫と白の組み合わせが美しかった。
本展からは話がそれるが、自分はモクレンは「桜より先に咲き始める花」ぐらいの認識で、知らないことがたくさんあった。
・かつては花が蘭に似ていたので木蘭(モクラン)だったものが、蓮に似ていることになり木蓮になったという説があること。
・英名はマグノリアだが、英語ではコブシも含んでしまうこと。
・地球上の最古の花木といわれ、恐竜のいた白亜紀の地層から花の化石が出ること。
・蕾の先が必ず北を向くので「コンパスフラワー」と言われること
出典は下記です。
・岩崎貴宏 「リフレクション・モデル(瑠璃)」、「同(金閣)」、「同(銀閣)」
この方には参ってしまった。
水面に浮かんでいるよう。この浮遊感!
屋根上(下)の鳳凰まで精巧に出来ていた。
同じ作家さんの「アウト・オブ・ディスオーダー」
石油化学基地等を、素材「雑巾・墨汁」でつくっている。
こちらもしばし見とれてしまった。
・入江明日香「Le Petit Cardinal」 小さな枢機卿?
もうひとつ並んでいたので「六曲一双屏風」か。
ほかにも、北野謙氏の写真作品、和田淳氏のアニメーション作品に、自分は魅せられてしまいました。
本展は1月25日(日)まで、終了間近です。